Skip navigation
サステナビリティ・
ESG金融のニュース
時価総額上位100社の96%が
Sustainable Japanに登録している。その理由は?

【イギリス】シンクタンク、英政府のプラスチック対策を不十分と批判。包括的アプローチ必要

 英シンクタンクは3月10日、英政府のプラスチック対策について、プラスチック以外の資源による環境負荷を考慮していないと批判するレポートを発表。あらゆる資源の「安全性」「持続可能性」「効率」に配慮した包括的なアプローチが必要だと提言した。

 今回の提言レポートをまとめたのは、独立シンクタンクのGreen Alliance。同団体は、1月に食品業界でのプラスチック対策に関する課題を指摘していたが、今回はプラスチック問題全体を視野に入れたレポートを作成した。

【参考】【イギリス】Green Alliance、食品セクターの脱プラ課題レポート発表。根本的解決には遠く(2020年1月18日)

 今回のレポートは、英政府が世論に応え、一部のレジ袋やマイクロビーズ等の使用に関する規制に取り組んでるとしつつも、「使い捨て」習慣が無くならない限り、断片的なアプローチに過ぎないと指摘。プラスチックがその他の原料に変わっただけで、根本的な環境負荷低減にはならないと警鐘を鳴らした。

 例えば、同国は2018年6月、洗顔料でのマイクロビーズを禁止した。しかし、同禁止措置では、マイクロプラスチックの90%は規制できていないという。同様に、プラスチック製ストローやマドラー、綿棒が禁止となったが、プラスチックの代替原料の使用量には規制がないため、新たな別の環境問題を生じさせていると分析した。

食品包装の有害化学物質による健康リスク
 一部の食品包装用の金属容器コーディングで使用されるビスフェノールA(BPA)やフタル酸エステルは、有害化学物質の懸念の声が上がっている。また、紙、段ボール、堆肥化可能な持ち帰り用容器、耐水性を改善した食品包装等に使用されるペルフルオロオクタン酸(PFAS)も、高コレステロール、生殖能力低下、精巣癌を引き起こす有毒化学物質群だとされる。

 2019年12月の調査では、英主要スーパーマーケット9つにおいて、同有害物質の利用が確認されており、プラスチックのみならず、食品包装全体の規制の早急な見直しが必要だとした。

思わぬ結果に繋がる堆肥化可能なプラスチックの不適切な管理
 プラスチック汚染への懸念に応じ、堆肥化可能なプラスチックの使用が増加している。しかし、期待通り堆肥化するわけではなく、多くの場合、別途回収が必要となるとした。事実2018年10月、英政府は堆肥化可能な包装への切替を実施したが、開始後6ヵ月間で収集された堆肥化可能なプラスチックは、他の材料の汚染のため、焼却処分しなければならない結果となった。

 Green Allianceは、こうした結果を受け、プラスチックに限ったアプローチではなく仕組み全体を適切に管理する必要があるとした。

レジ袋税の限定的影響
 グリーンピースと環境調査エージェンシー(EIA)の調査では、使い捨てプラスチック製のレジ袋を有料化したことで、エコバッグの使用を劇的に増加させ、英国の世帯別の年間平均エコバッグ購入数は54個となってしまったという。

 Green Allianceは、場当たり的な対応ではなく、すべての資源や環境への影響を考慮した体型的なアプローチが必要だと強調した。

【参照ページ】Government is treating the symptom, not the cause of plastic pollution

author image

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

この記事のタグ

Sustainable Japanの特長

Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。

  • 時価総額上位100社の96%が登録済
  • 業界第一人者が編集長
  • 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
  • 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする

※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら

"【ランキング】2019年 ダボス会議「Global 100 Index: 世界で最も持続可能な企業100社」"を、お気に入りから削除しました。