新型コロナウイルス・パンデミックによる市場データが揃ってきたことで、ESG投資戦略のパフォーマンスを分析する機関投資家や関係機関が増えてきている。今回も、米系投資運用大手の分析結果で、ESG投資戦略が株式でも社債でも有効であったことが示された。
今回分析結果を発表したのは、米フィデリティ・インターナショナル。同社がESGスコアを付けている世界2,689銘柄でのパフォーマンスを分析したところ、2月19日から3月16日のパンデミックによる株価暴落局面で、ESGスコアの高い銘柄の下落幅は小さかったことがわかった。
同社のESG5段階評価(AからEまで)で、同期間の平均リターンは、Aで-23.1%、Eで-34.3%。Aの銘柄には元々βが小さく市場平均に対する感応度が小さいことからβでも調整したところ、Aで-25.0%、Eで-31.2%と、やはりESGスコアの高い企業の下落幅が小さかった。
(出所)Fidelity Internationalを基に弊社作成
社債でも、1,398社について1月1日から3月31日までのデータを分析したところ、Aが-9.23%、Bが-13.16%、Cが-17.14%、DとEが約-20%と、ESGスコアが高くなるにつれ、下落幅が小さかった。
米金融コンサルティング大手オリバー・ワイマンも4月、ホールセールバンキング向けのレポートの中で、機会とリスクの両面から、気候変動を中心としたESGが決定的な役割を果たすと指摘している。
【参照ページ】Outrunning a crisis: Sustainability and market outperformance
【参照ページ】STEERING THROUGH THE NEXT CYCLE
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