国際環境NGOグリーンピース等のNGO118団体は6月8日、EUに対し、SLAPP(恫喝訴訟)への対策を求める共同声明を発表した。SLAPPとは、政府や大企業等が、比較的社会的に弱い立場にある市民運動封じ込めるために戦略的行う訴訟のこと。スラップとも呼ばれる。ジャーナリスト、活動家、メディア等が被告になることが多い。
最近のSLAPP事例としては、決済世界大手米PayPalが、ドイツで起きた平和的な抗議デモに対し、NGOのSumOfUsを提訴した事例や、仏運送会社ボレロ・グループがカメルーンでの人権侵害についての発表を止めるために名誉毀損として新聞社3社とNGO2団体を提訴したこと等がある。また、マルタ人ジャーナリストがマルタ人政治家とそのビジネス関係者によって42件の名誉毀損の訴訟を提起され、その後殺害されるという事件も起こっている。
今回の共同声明では、EUに対し、SLAPPを禁止する反SLAPP指令の制定や、訴訟裁判国を自由に選択できる権利を保証しているベルギー規則Ⅰと名誉毀損に関する制限を求めるローマ規則Ⅱの改正、SLAPP犠牲者の救済の3つを求めた。
EUでは目下、反SLAPP指令の検討が進められているが、グリーンピースは要求している3つの内容がカバーされておらず、欧州委員会副委員長にすでに懸念を伝えているという。
【参照ページ】After journalist’s murder, efforts to combat SLAPP in Europe
【参照ページ】Ending SLAPPs: strategic lawsuits against public participation
【参照ページ】Ending Gag Lawsuits in Europe Protecting Democracy and Fundamental Rights
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