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【アメリカ】民主党率いる下院気候危機委員会、2050年カーボンニュートラル政策発表。大統領選意識

 米連邦下院の気候危機特別調査委員会は6月30日、包括的な気候変動対策を示した政策勧告報告書を発表した。連邦下院は民主党が多数派。同委員会は、ナンシー・ペロシ下院議長(民主党)とキャシー・カスター同委員会委員長(民主党)が率いている。

 同委員会は、2019年1月3日に下院での議決で、賛成234票、反対197票で可決され設立。構成は、民主党9人と共和党6人。気候変動に関する委員会は以前にも下院に設けられていたが、2010年の連邦議会選挙で共和党が勝利した際に、廃止されていた。 

 同報告書は547ページに及ぶ壮大な内容。掲げた目標は、2050年までに二酸化炭素ネット排出量(カーボンニュートラル)を実現し、それ以降はネガティブ・エミッション(ネット排出量がマイナス)の状態にする。またそのために2030年に、2010年比で米国での排出量を37%削減するというもの。これにより2050年までに若者の死を62,000人減らし、経済効果を8兆米ドル(約860兆円)創出する。

 具体的な方策としては、連邦議会に対し、太陽光発電、風力発電、省エネ等のエネルギー源の迅速な導入と系統の整備や、再生可能エネルギー、ゼロエミッション自動車、ゼロエミッション技術の開発へのインセンティブ付与、Direct Air Capture(DAC)や低炭素健在の産業振興、再生可能エネルギー産業等の労働条件向上を掲げた。加えて、地域コミュニティや農家に対する気候変動適応支援も盛り込んだ。また2030年までに米国の領土と領海の30%以上を保護区にすることも謳った。他には、陸上やオフショアでの化石燃料採掘のための土地リースを制限し、海洋や湿地を保護していくことも表明した。

【参考】【EU】欧州委、2030年生物多様性戦略を採択。2030年までに陸域・海域30%以上を保護区化(2020年5月21日)

 今回、民主党率いる下院の委員会が示した内容は、EUの政策と近似しており、次期大統領選挙で民主党のジョー・バイデン候補が勝利すると、現在のトランプ政権から政策がいっきに転換することが予想される。

 実際に、ジョー・バイデン候補は7月3日、選挙キャンペーンのための諮問委員会として「気候エンゲージメント諮問会議」を設けたことを発表。委員に、トム・スタイヤー金融富豪・慈善活動家、NGOのCEED(Center for Earth, Energy and Democracy)のシシリア・マルチネス理事、国際電気労働者友愛会のロニー・ステフェンソン会長、オバマ政権の気候変動政策ディレクターを務めたキャロル・ブラウナー氏等が就いた。

【参照ページ】SELECT COMMITTEE DEMOCRATS RELEASE 'SOLVING THE CLIMATE CRISIS', A CONGRESSIONAL ROADMAP FOR AMBITIOUS CLIMATE ACTION

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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