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【国際】2040年までのプラスチック汚染量で5つの分析用シナリオ発表。国際チームの研究論文

 国際的な研究チームは、2040年までのプラスチック汚染量に関するシナリオを設定。分析した結果を公表した。気候変動の分野ではシナリオ分析が産業界の中で徐々に浸透してきているが、プラスチックについてもシナリオ分析をした上でのレジリエンスをチェックする動きが広がりそうだ。

 今回のシナリオを発表したのは、米ピュー慈善信託、オックスフォード大学、リーズ大学、インペリアル・カレッジ・ロンドン、プリマス大学、ビクトリア大学等の研究者約30人の国際チーム。7月23日に科学誌「Scienece」が論文を掲載した。

 今回の研究では、海洋プラスチックを念頭に置き、マクロプラスチックとマイクロプラスチックの海洋流出量を「プラスチック汚染量」として試算。その上で、2040年までのスコープで、人口増加等によるプラスチック需要増と、対策によるプラスチック使用量の減少の双方でシミュレーションモデルを用意し、今後の推移を算出した。プラスチック汚染には、海洋だけでなく陸上や水系での汚染もあるが、現状についての十分なデータがまだ存在しないため、今回は研究対象から外した。

 シミュレーションモデルでは、「使用量削減」「代替素材開発」「リサイクル」「廃棄」の4つの変化要素に対し、「社会でのプラスチック量の削減」「代替素材への転換」「リサイクル設計の導入」「回収能力の増加」「マテリアルリサイクル設備能力の増加」「ケミカルリサイクル設備能力の増加」「改修後の漏出の削減」「プラスチック廃棄物貿易の低減」の8つの介入で変数を用意した。

 その結果、構築された5つのシナリオは、「現状シナリオ(BAU)」「回収・廃棄」「リサイクル」「使用量削減・代替素材化」「社会変革」の5つ。


(出所)Science

 分析の結果、現在存在している技術や知見をフル動員する「社会変革」シナリオで、2040年までにプラスチック汚染量を「現状シナリオ」から78%削減できると算出した。しかし同論文は、それでもプラスチック汚染量はゼロにはできないため、累積していくと警鐘を鳴らした。また、回収やリサイクルのための活動にさらに二酸化炭素が排出されるため、省資源や低炭素型の経済活動がより一層必要になると強調した。

【参照ページ】Evaluating scenarios toward zero plastic pollution

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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