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【ミャンマー】キリン、合弁事業の配当支払停止。ロヒンギャ人権侵害の軍政関与の疑いで

 キリンホールディングスは11月11日、ミャンマー合弁事業であるMyanmar Brewery Limited(MBL)とMandalay Brewery Limited(MDL)の2社からの配当金の支払いを停止すると発表した。2社の合弁提携先は、現地のミャンマー・エコノミック・ホールディングス(MEHL)であり、少数民族を迫害しているミャンマー国軍がMHELの株式を持っている等による人権侵害が人権NGOから追及されてきていた。

 キリンホールディングスとMHELの合弁提携は2015年に開始。今回の事案については、2018年に人権NGOアムネスティ・インターナショナルが、MBLがロヒンギャに対する民族浄化が行われている最中に、ミャンマー軍と当局に献金をしていたことを直ちに調査すべきと国際的に発表。キリンホールディングスに関する人権侵害問題として大きくクローズアップされていた。

 今年6月には、国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ、国際人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチ、日本国際ボランティアセンター、認定NPO法人シャプラニール=市民による海外協力の会の4団体が、同社に対し、合併事業提携先の(MEHL)との提携を解消するよう要求。9月には、再びアムネスティ・インターナショナルから、国軍の複数の部隊が、MHELの株式の約3分の1を保有し、1990年の創業以来毎年、配当を受け取っており、MHELの取締役会は国軍の幹部で構成されていると証拠を掴んだと発表し、キリンホールディングスは再び対応に追われていた。

 キリンホールディングスは、同事案発覚後からアムネスティ・インターナショナルとの協議を重ね、今年2月にミャンマー事業について戦略的な検証を行うことを発表。6月には、MEHLの財務やガバナンス体制に関する独立調査を行うため、外部のコンサルティング会社を起用。9月には、アムネスティ・インターナショナルからの質問票に対し、「提携関係を見直している」と回答していた。

【参考】【日本】国際人権NGO、ミャンマー軍企業との事業提携解消をキリンに要求。少数民族迫害の人権侵害(2020年6月21日)

 今回同社は、独立調査が進行していることや新型コロナウイルス感染症が拡大しており、同合弁事業を取り巻く事業環境見通しが著しく不透明とし、配当支払いの停止を決めたと発表。調査を年末までに完了することを目指すとした。

 アムネスティ・インターナショナルは9月の発表の中で、他にも、MHELと提携しているエバーフローリバー・グループ、カンボーザ・グループイノ・グループ、パン・パシフィック、ポスコ、RMHシンガポール、万宝鉱業に対しても質問票を送付。その際には、パン・パシフィックだけがMHELとの事業提携改称を進めていると言及し、カンボーザ・グループとキリンホールディングスの2社が「提携関係を見直している」と回答。他の5社は無回答だった。

【参照ページ】当社ミャンマー事業に関する進捗報告について
【参照ページ】当社ミャンマー事業に関するアムネスティ・インターナショナルの報告書について
【参照ページ】日本:キリンビールのミャンマー軍への献金の調査を
【参照ページ】ミャンマー(ビルマ):グローバル企業 国軍の人権侵害に関係

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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