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【国際】自発的炭素市場拡大に関するタスクフォースTSVCM、方向性でパブコメ募集。日本企業メンバーはゼロ

 炭素市場に関する国際タスクフォースは11月10日、炭素市場に関する国際原則や自主的ルールの創設に向けたパブリックコメントの募集を開始した。今回幅広く意見を集めた上で、国際ルールの確立に向け各国政府も含めたステークホルダーとのエンゲージメントを行う。

 今回パブリックコメントを発表したのは、「自発的炭素市場拡大に関するタスクフォース(TSVCM)」。TSVCMは、元イングランド銀行総裁のマーク・カーニー国連気候アクション特使が主導し、9月2日に発足。カーニー氏は、イングランド銀行総裁時代に、金融安定理事会(FSB)議長として、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)を立ち上げた実績を持ち、今回も同様に炭素市場分野での民間初の国際ルール作りを目指している。カーニー氏は、英ボリス・ジョンソン首相の国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)のアドバイザーも務めている。

 TSVCMは、委員長は英スタンダードチャータードのグループCEO。国際金融協会(IIF)がスポンサーとなり、IIF会長も参画。元米証券取引委員会(SEC)委員で、法律事務所デービス・ポークのパートナーが実務をリードし、マッキンゼーが実務アドバイザーとして就任することも決定済み。

 同タスクフォースのメンバーは、バンク・オブ・アメリカ、ゴールドマン・サックス、BNPパリバ、UBS、マッコーリー・グループ、DBS、ブラックロック、ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行(BBVA)、イタウ・ウニバンコ、アクサ・インベストメント・マネージャーズ、ロンドン証券取引所(LSE)、XCHG、ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス(BNEF)、ボーイング、イージージェット、エティハド航空、BP、ロイヤル・ダッチ・シェル、バンジ、マースク、RWE、ユニリーバ、ネスレ、シーメンス、マヒンドラ、タタ・スチール、トタル、テマセク・ホールディングス、セールスフォース・ドットコム、Geely(吉利汽車)、Elion(億利)等。ゴールドスタンダードやサウスポールもメンバー入りした。日本企業はゼロ。

 またタスクフォースに助言を与える諮問グループ・メンバーには、WBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)、世界銀行、国際金融公社(IFC)、シティグループ、モルガン・スタンレー、バークレーズ、チューリッヒ保険、サンタンデール銀行、中国工商銀行(ICBC)、ピムコ、T・ロウ・プライス、欧州エネルギー取引所(EEX)、アブダビ国営石油会社(ADNOC)、BHP、ヴァーレ、コカ・コーラ・カンパニー、マイクロソフト、CDP、カーボントラッカー、コンサーベーション・インターナショナル(CI)、ザ・ネイチャー・コンサーバンシー(TNC)、世界自然保護基金(WWF)、環境防衛基金(EDF)、DNV GL、BSR、ベーカー&マッケンジー等。日本企業では、TCFDメンバーも務める三菱商事が入った。

 さらに同タスクフォースには、オブザーバーも設定されており、世界経済フォーラム(WEF)、国際商業会議所(ICC)、ザ・チルドレンズ・インベストメント・ファンド等が参画しているが、こちらも日本の団体はゼロ。

 同タスクフォースは、気候変動緩和での二酸化炭素排出量削減策として注目を集めることになる炭素市場を、現状の15倍以上にまで拡大することを目的とし、二酸化炭素排出量取引市場やカーボンオフセット等についての適格性や開示、ファイナンスに関する民間主導のルール策定を行う。

 メンバー選定に関しては、国際性をもたせるため、世界各地域からメンバーを招聘した形となったが、アジアについては、日本ではなく中国が重視されることが明確な布陣となった。
 
 今回実施しているパブリックコメント募集は、議論の方向性を問うもの。締切は12月10日。

【参照ページ】Taskforce on Scaling Voluntary Carbon Markets Publishes Initial Recommendations, Calls for Feedback from Stakeholders

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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