自動車世界大手独ダイムラーは12月7日、メルセデス・ベンツの上流サプライチェーン全体で、2039年までに二酸化炭素ネット排出量ゼロ(カーボンニュートラル)を達成する目標を発表した。サプライヤーに対し、契約で生産及び調達部品・資源でのカーボンニュートラルをコミットさせる。
同社は、2030年までに電気自動車(EV)とプラグインハイブリッド車(PHV)の販売比率を50%以上に引き上げる経営目標を定めている。しかし同社はEVやPHVへの移行により、製品ライフサイクル全体で捉えるとライフサイクルの二酸化炭素排出量は従来の内燃機関自動車よりも小さくなる一方、製造時の二酸化炭素排出量は、リチウムイオン電池の方が、従来の内燃機関と比べ倍増すると分析した。
そこで、今回同社は、グローバルのサプライヤーと協働し、2039年までに上流サプライチェーンでの二酸化炭素ネット排出量をゼロにする目標を掲げた。同目標にコミットできないサプライヤーとは契約しないと明言した。
すでに同社は、燃料電池や鉄、アルミニウム等、EVサプライチェーン上の二酸化炭素排出量の80%を占める素材や部品の改善に注力。バッテリー製造世界大手中国の寧徳時代新能源科技(CATL)や米Farasis Energyとパートナーシップを締結し、再生可能エネルギーを活用したバッテリー製造に取り組んでいる。これにより二酸化炭素を30%削減できるという。さらに、使用する原料の再検討も開始。パートナー企業と協働し、2030年までに、新品の原料ではなくリサイクル素材や持続可能な原料の活用を段階的に増やしていく。
メルセデス・ベンツは、バッテリー製造機能を含む自社工場を有しており、2022年までに世界で自社事業でのカーボンニュートラルを達成可能な見込み。サプライヤーに、メルセデスベンツの工場に倣い、基本原則として二酸化炭素排出量の回避・削減にコミットすることを要求する。
【参照ページ】Next Milestone Ambition 2039: The global Mercedes-Benz supply chain is becoming CO2 neutral
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