アジア・コーポレートガバナンス協会(AGGA)は5月20日、日本を含むアジア太平洋12ヶ国・地域のコーポレートガバナンス市場環境ランキング「CG Watch」の2020年版結果を発表した。首位はオーストラリア。日本は2つ順位を挙げて5位タイだった。上場企業の部門では12ヶ国中11位だった。
CG Watchは、2010年から2年毎に発表されている。日本の順位は、かつては概ね3位が定位置だったが、ESGが大きく伸長したアジア各国に遅れを取り、2018年はインドと並ぶ7位にまで後退。2020年ランキングでようやく5位にまで戻した。
CG Watchは、評価手法を徐々に変更しており、2018年からは、「政府&公共ガバナンス」「規制当局」「コーポレートガバナンス・ルール」「上場企業」「投資家」「監査法人・監査当局」「市民社会・メディア」の7項目で、コーポレートガバナンスの市場環境を評価している。評価では、ESGまで含めたコーポレートガバナンスの動向がチェックされる。
CG Watch 2020(括弧内は2018年順位)
1. オーストラリア(1)
2. 香港(2)
3. シンガポール(3)
4. 台湾(5)
5. マレーシア(4)
5. 日本(7)
7. インド(7)
8. タイ(6)
9. 韓国(9)
10. 中国(10)
11. フィリピン(11)
12. インドネシア(12)
日本の順位で最も低いカテゴリーは「上場企業」で11位。12位はインド。日本の上場企業が低評価の理由としては、法定または任意の指名委員会と報酬委員会に関する情報開示が少なく、独立性も乏しいこと。また監査役が形式的になっており、実効性が不明であることも挙げた。取締役ダイバーシティでも、充実したスキルの開示が乏しく、ジェンダーや国籍面での多様性を改善する計画も出てきていないと苦言を呈した。取締役会議長とCEOの分離が進んでいないことも課題視した。マテリアリティの設定についてもレベルが低いとの見方を示した。
【参照ページ】CG Watch 2020 Release
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