三菱ケミカルホールディングス傘下の三菱ケミカルは、バイオ素材や再生素材の関連事業を急ピッチで強化している。6月だけでも数多くの発表を行った。日本の化学業界でもサーキュラーエコノミー化の大きな波が来ている。
まず6月7日、植物由来原料を使用したPTMG(ポリテトラメチレンエーテルグリコール)を新たに開発し、サンプル提供を介したと発表。PTMGは、反発弾性や耐摩耗性等の特徴から、ポリウレタン弾性繊維(スパンデックス)等に伸縮性を付加する素材として使用されている。同社は「BioPTMG」ブランドで同素材を提供していく。性能は従来のPTMGと同等。
6月28日には、同社のバイオマス原料由来PETに係る基本特許及び関連特許をクラレおよびクラレトレーディングに提供するライセンス契約を締結したと発表。同社は、同基本特許を、米国、欧州、中国でも特許登録している。
同社子会社ダイヤテックスは、1981年に世界で初めて開発したポリエチレンクロス養生用テープ「パイオラン TM テープ」を2021年夏からバイオマスプラスチックを使用した製品にリニューアルすることを発表している。
リサイクル技術では、6月16日に英Mura Technologyから、プラスチックのケミカルリサイクル技術のライセンス提供を受ける契約を締結したことも発表した。Mura Technologyの技術「HydroPRS」は、高温高圧の超臨界水の中でプラスチックを分解し、リサイクル生成油へと再生する技術。従来の直接熱分解技術と比べ、高い収率で石油由来原料と同等の品質を持つリサイクル生成油を得ることができるという
【参照ページ】植物由来原料を使用した BioPTMG のサンプル提供開始について
【参照ページ】クラレグループとのバイオマス原料由来ポリエステルの関連特許に係るライセンス契約締結について
【参照ページ】パイオラン TMテープ 40年ぶりにリニューアル
【参照ページ】Mura社とのプラスチックケミカルリサイクル技術のライセンス契約締結について
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