電子機器世界大手米シスコシステムズは9月9日、2040年までにスコープ3を含むカーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)を宣言した。中間目標として、2025年までにスコープ1、スコープ2のカーボンニュートラル達成を標榜。スコープ3についても、2021年内に中間目標を設定する。
同社の目標は、8月に公表されたIPCC第6次評価報告書に対応した形。同報告書では、排出量が最も少ない「SSP1」から最も多い「SSP5」まで、いずれのシナリオでも2040年時点で産業革命前から1.5℃上昇を突破すると表明。これまで推進してきた2050年カーボンニュートラルでは、間に合わないことが示唆されていた。シスコは今後、アニュアルレポートで、カーボンニュートラルに向けた進捗状況を開示する。
同社はすでに、複数拠点での100%再生可能エネルギー利用を達成。2022年までには、少なくとも同社電力使用量の85%を再生可能エネルギーに転換する。スコープ3での二酸化炭素排出量についても、2019年に当初目標を1年前倒して達成。船舶輸送の活用や、製品包装の再設計、製造パートナー企業へのエネルギー管理の導入等を通じ、同排出量を100万t削減した。2030年までに、排出絶対量を30%削減するという。
さらに同社は、製品や包装を再利用・修復ができ、資源効率を高める設計へ転換予定。2025年までには、新製品全てをサーキュラー・デザイン原則に基づき生産する。加えて、チャック・ロビンスCEOが2018年の世界経済フォーラム(WEF)で宣言した使用済み製品の100%回収も継続する。
【参照ページ】Cisco commits to net zero greenhouse gas emissions by 2040
【参照ページ】Capital Equipment Coalition - Europe and North America
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