国際的な低炭素推進機関投資家イニシアチブ「Investor Agenda」は9月14日、11月に開催される第26回国連気候変動枠組条約グラスゴー締約国会議(COP26)に向け、各国政府に対し、気候変動への対応を加速させる要請する共同声明を出した。同イニシアチブは、国連環境計画金融イニシアチブ(UNEP FI)、国連責任投資原則(PRI)、CDPと、Global Investor Coalition on Climate Change(GIC)構成4機関のIIGCC、AIGCC、IGCC、Ceresが共同で運営。現在、世界の機関投資家457機関、運用資産総額41兆米ドル(約4,500兆円)が加盟している。
今回発表した共同宣言「2021 Global Investor Statement to Governments on the Climate Crisis」では、政府に対し5つの具体的な要求を出した。
まず、COP26前に、1.5℃目標を達成するため、2050年カーボンニュートラルへの移行を確かなものにするための国別削減目標(NDC)の引き上げ。次に、二酸化炭素排出量の多いセクターに対し、具体的で野心的な中間目標の設定へのコミット。
3つ目は、民間投資を加速させるための国内政策の整備。具体的には、カーボンプライシング(炭素価格制度)、化石燃料への補助金撤廃スケジュールの策定、全ての石炭火力発電の段階的廃止のスケジュール策定、石炭火力発電所の新設等新たな二酸化炭素排出量の多いインフラ計画の廃止、影響を受ける労働者や地域コミュニティでのジャスト・トランジション(公正な移行)。
4つ目は、新型コロナウイルス・パンデミックでの経済復興策でカーボンニュートラルやレジリエンス強化の確保。最後に、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に基づく気候リスク開示の法定義務化。
Investor Agendaは、今後も署名の機関投資家を募り、署名機関名は9月の国連総会で発表される。最終的にはCOP26開幕まで署名を募る。
日本の機関投資家では、第一生命保険、三井住友トラスト・アセットマネジメント、アセットマネジメントOne、三菱UFJ信託銀行、ニッセイアセットマネジメント、日興アセットマネジメント、野村アセットマネジメント、りそなアセットマネジメント、三菱商事UBSリアルティ、野村不動産投資顧問等が署名した。
【参照ページ】GLOBAL INVESTOR STATEMENT: INVESTORS URGE GOVTS TO UNDERTAKE FIVE PRIORITY ACTIONS BEFORE COP26
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