国際環境NGOのOcean Conservancyは、北米西海岸の主要5港のカーボンニュートラル・ポート化のケーススタディを分析した報告書を発表した。同NGOは、今回5港の事例を紹介することで、北米全体の港のカーボンニュートラル化を促進したい考え。
今回分析対象となったのは、カリフォルニア州のロサンゼルス港とオークランド港、ワシントン州のタコマ港、カナダのブリティッシュコロンビア州のバンクーバー港、アラスカ州のウナラスカ港。港のカーボンニュートラル化では、様々な課題があるが、すでに技術的進歩も生まれている。今回、各々の港で進められているアクションを分析した。
まず港に関する課題としては、海運での二酸化炭素排出量による気候変動悪化や大気汚染。さらに、港湾でも、停泊船だけでなく、重機やトラックにより、気候変動悪化や大気汚染の著しい発生源となっている。特に、港湾部周辺には、低所得者層が居住していることも多い、生活面での格差や差別を生み出す背景にもなっている。一方で、北米西海岸の港は、特に日本と中国への貿易の要として機能している。
これに対し、ロサンゼルス港は、港湾運営と海運の双方で、カーボンニュートラル化を進めており、オペレーションの排出量を50%以上削減してきた。港湾では、再生可能エネルギーの導入促進、下院ではゼロカーボン燃料の導入が進められている。
オークランド港でも、再生可能エネルギー発電が進められており、さらにグリーン水素による海運構想も見据えている。バンクーバーでは、eFuelを活用した海運構想が練られており、脱石炭で失った港湾収益の補おうとしている。
ウナラスカ港では、未利用の再生可能エネルギー資源と地元のニーズのユニークな組み合わせにより、完全なeFuelサプライチェーン、さらにはサーキュラーエコノミー化が進められている。
【参照ページ】New Report Highlights Benefits of Zero-Carbon Ports
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