欧州委員会は2月2日に制定した天然ガス及び原子力エネルギーに関する「タクソノミー補完的委託法令」に関し、公式手続きに基づいて開催されるEU理事会や欧州議会での異議申立審議に先駆け、各国から早くも反発の声が上がってきた。
【参考】【EU】欧州委、EUタクソノミーで原子力と天然ガスに厳しい条件設定。今後、異議申立期間(2022年2月3日)
ルクセンブルクのクロード・テュルムエネルギー相は、原子力エネルギーと天然ガスの双方を一切に容認できないと反発。オーストリアのレオノーレ・ゲヴェスラー気候保護相も、原子力エネルギーが条件付きでも認められたことに反発した。両国は協調して欧州委員会を欧州司法裁判所に提訴すると宣言した。提訴されると、判決は2023年後半になると予想されており、2023年1月1日の委託法令発効が難しくなる。
原子力発電については、国内に多くの原子力発電所を抱えるフランスやフィンランド、今後の導入計画がある中東欧諸国などが支持していた。しかし、緑の党が連立与党を組むドイツは、断固拒否の構え。ドイツのロベルト・ハーベック経済相とシュテフィ・レムケ環境相は、原発反対の姿勢をあらためて表明した。一方、連立与党を組むドイツの自由民主党(FDP)は、再生可能エネルギー普及までの「つなぎエネルギー」として天然ガスの容認されたことを歓迎している。
欧州委員会が強行突破を志向したことで、EU加盟国国だけでなく、国内政治においても、足並みが揃わなくなってきている。
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