国際エネルギー機関(IEA)は4月1日、国連持続可能な開発目標(SDGs)の目標7「エネルギーをみんなに そしてグリーンに」の進捗状況レポートを発行した。新型コロナウイルス・パンデミックの影響で、状況が悪化。電力やクリーン調理の進展が逆行していることがわかった。一方、再生可能エネルギーは、パンデミックでもレジリエントだったことを強調した。
最新の統計では、2020年に世界で約7億7,000万人が電気にアクセスできていない。アフリカでは、2013年以来初めてアクセスできない人の数が増加。アフリカ大陸は世界の無電化人口が約80%を占める。アジアでも、増加のペースが鈍化。但し、効果的な政策と資金調達アクセスが容易なおかげで、アフリカよりもレジリエントということがわかった。
IEAは今回、追加的な政策措置がなければ、2030年時点でも約6億7,000万人が電力にアクセスできない状態との予測を説明。そのほとんどがアフリカに存在するとした。
クリーン調理のない人も2020年に増加。パンデミックにより、各国政府でのクリーン調理の優先順位が下がっただけでなく、経済的苦境に陥った人々が、再び調理燃料として炭や木を燃やすことに回帰してしまった模様。世界では約25億人がクリーン調理にアクセスできていない。
IEAは、クリーン調理でも、現在の政策状況では2030年でも約21億人がクリーン調理にアクセスできない状況との予測を伝えた。2030年までに完全なアクセスを達成するためには、年間2億8,000万人のアクセスを向上させる必要がある。
電力とクリーン調理の双方で、目標を達成するためには、2030年までに年間約430億米ドル(約5.5兆円)の投資が必要。これでも、現在の世界のエネルギー投資のわずか2%に過ぎず、非現実的ではない投資額。
反面、好材料として、パンデミックによる経済活動やサプライチェーンの混乱でも、2021年に再生可能エネルギーの設備容量が過去最高を更新したことを挙げた。
【参照ページ】The Covid pandemic has slowed progress towards sustainable energy goals even as renewables continue to gain ground
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