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【国際】米州5カ国、食料安全保障対策で7つのアクション。栄養不足と気候変動に危機感

 米国、カナダ、メキシコ、ブラジル、アルゼンチンの5カ国政府は6月13日、世界の食料安全保障のための役割を確認する声明を発表した。栄養問題と気候変動による農業打撃に警鐘を鳴らした。

 今回5カ国政府は、世界の約3人に1人が適切で安価な栄養価の高い食料を入手できていない中、供給の途絶により、穀物、トウモロコシ、食用油、種子、肥料、精製燃料等の貿易が混乱をきたしていると指摘。加えて、気候変動が異常気象を増やした結果、世界中の降水パターンが変化し、作物の収量が脅かされており、新型コロナウイルス・パンデミックから経済が回復するにつれ、食料供給の難しさは増しているという認識を示した。

 そこで、5カ国政府は、食料および農業投入物の主要な生産者および輸出者として、食料価格の安定化、農業収量を持続的最大化、将来に向けレジリエントで、安全、持続可能な世界の食料システムの構築を目標とし、短期間の行動をとる必要性を確認した。

 具体的な行動としては7つを提示した。まず、作物収量、農業生産、貿易促進のベストプラクティス推進。注力分野としては、高収量かつレジリエントな種子の使用、二毛作、季節的輪作、病害虫の統合管理、農薬の生産性、垂直農法、肥料イノベーションと効率化、ウォーターフットプリントを改善する灌漑使用と技術の向上、持続可能な農法へのイノベーション、精密農業技術へのアクセス、農業融資・作物保険、農場での食品ロスを削減する貯蔵技術等を例示した。

 次に、農業のサステナビリティ向上では、精密農業による、肥料使用の最適化、及び水資源と生物多様性のサステナビリティ向上を挙げた。バイオマスの再生可能エネルギー源を最大化するための施策も同時に進めていく。

 3つ目は、肥料の最適化。施肥の4R原則「Right time(適切な時期に)、Right place(適切な場所に)、Right rate(適切な量を)、Right source(適切な素材で)」を重視した上で、気候変動にレジリエントな代替肥料の開発を促進。肥料生産者間の競争を高めることで、サプライチェーンにおける生産コストの安定化と脆弱な食料市場への作物収量の増加を目指す。

 4つ目は、食料供給の最大化。特に、主要生産国から世界市場への農産物輸出を、安定的かつ予測可能にしていくことで、価格安定の維持、価格騰落の軽減を目指す。そのため、買占めや過剰な備蓄、輸出禁止を抑制し、既存の国内政策及び国際的な義務・基準に沿って、農産物の公正で開かれた取引を維持又は拡大する意向を示した。

 5つ目は、輸出禁止への対応。経済制裁や行政処罰が食糧輸出を抑制しかねないことを認識し、世界における農産物の自由な流れを不当に妨げる可能性のある措置を回避する考えも示した。

 6つ目は、人道的支援。利用可能な資源の範囲内で、現金、食糧・栄養物資、保健・栄養プログラム、水・衛生、人道的保護な等、命を救うための緊急人道支援を行う主要な人道支援組織に対して、資金または現物を寄付し、栄養不良や飢饉を防ぐ。

 7つ目は、包括的な農業・食糧システムへの投資。農村開発を支え、世界の平和に貢献する。

【参照ページ】Summit of the Americas Agriculture Producers Declaration

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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