【日本】関西電力、北海道と宮城県の風力発電事業を断念。環境懸念で市民の反対運動

　関西電力は7月29日、北海道伊達市・千歳市と宮城県川崎町の2ヶ所で検討を進めてきた風力発電事業を中止したと発表。「第一種事業の廃止等通知書」を提出するとした。

　同案件では、同社は2022年5月30日に経済産業相へ事業計画を提出し、北海道知事、宮城県知事と山形県知事へ意見を求めていた。しかし、各地域で市民からの反対運動が勃興。当初は2028年度の着工、2031年度の完成を目指していたが、事業そのものを断念した。計画されていた設備容量は、北海道伊達市・千歳市の案件が最大19基建設で79.8MW。宮城県川崎町の案件が、23基で96.6MWだった。

　反対運動では、宮城県川崎町では、観光地の蔵王の御釜の景観や眺望に影響を与える可能性が予測され反対運動が起こり、6月6日には、宮城県の村井嘉浩知事も懸念を表明。北海道では、支笏洞爺国立公園も用地に含まれ、反対活動があった。

【参照ページ】北海道および宮城県における陸上風力事業計画に係る「第一種事業の廃止等通知書」の提出について

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所