米バイデン政権は11月4日、2050年カーボンニュートラルの政府目標を達成するため、5つの戦略的な優先分野を特定した。実現を加速するため、「ネットゼロ・ゲームチェンジャー・イニシアチブ」も発足した。
今回の優先分野の特定は、大統領府(ホワイトハウス)の気候政策室、科学技術政策室、行政管理予算室が合同で作成した報告書で示されたR&Dの重要37テーマから、大統領府が経済競争力や経済安全保障の観点も踏まえ、5つの優先分野として絞り込んだもの。再生可能エネルギーについては、すでに走り出しているものとして、今回特定した5分野は、再生可能エネルギー促進を前提として選定した。
今回特定した5分野は、
- 冷暖房の省エネ(冷媒対策含む)
- ゼロエミッション航空機(電動航空機、ハイブリッド航空機、持続可能な航空燃料(SAF)を含む)
- 電源のカーボンニュートラル化&電化(先進的な送配電網含む)
- 核融合
- 経済モデルのカーボンニュートラル&サーキョラーエコノミーを実現するための工業製品・燃料
気候政策室、科学技術政策室、行政管理予算室が作成した報告書では、カーボンニュートラルを実現するために経済のゲームチェンジが起こる37のR&Dテーマも列挙されている。観点としては、全くの新技術、現行技術の大幅な改良、大変革を実現するための基盤技術の全てを包括している。
また、37テーマを、「変革的インパクト」「広範なインパクト」「特定分野のインパクト」の3つの分類した。今後もテクノロジーの進展が予想されるため、テーマの特定と分類作業を継続していくという。
さらに今回、大統領府は、インフレ抑制法に基づき、科学、研究、イノベーション分野での米国のリーダーシップを向上させるため、米エネルギー省所管の13の国立研究所に総額15億米ドル(約2,200億円)を拠出すると発表した。研究インフラを強化し、クリーンエネルギー分野の研究開発を加速させる。これにより、経済全体でのカーボンニュートラル達成の総コストを削減しながら経済成長を促し、電力系統のレジリエンスも強化する。
【参照ページ】FACT SHEET: Biden-Harris Administration Makes Historic Investment in America’s National Labs, Announces Net-Zero Game Changers Initiative
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