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【EU】欧州金融監督機構、SFDRのPAI開示ルール改正の作業に遅れ。作業タスク過多

 EUの欧州金融監督機構(ESAs)を構成する欧州証券市場監督局(ESMA)、欧州銀行監督局(EBA)、欧州保険・企業年金監督局(EIOPA)は11月4日、サステナブルファイナンス開示規則(SFDR)委託法令に関し、PAI(主要な悪影響)開示ルールの指標検討と開示見直しの作業が遅れていると表明。欧州委員会から指示されていた2023年4月28日までの答申が事実上できなくなったと10月26日に伝えていたことを明らかにした。当初予定より大きく遅延する見込み。

 SFDRでは、機関投資家がサステナブルやESGを標榜する金融商品をマーケティングするに際し、プラスのインパクトだけでなく、マイナスのインパクトを「PAI(主要な悪影響)」として開示することも義務化している。しかし現状では、各社の運用がバラバラであり、法の趣旨を果たしているとはいえないため、欧州委員会は2022年4月、委託法令の改正の必要性に鑑み、ESAsに対しルールの再整備を指示。1年以内に答申をまとめるよう伝えていた。

 しかし今回ESAsは、関係機関から十分な意見を収集するには、通常の3ヶ月間のパブリックコメントが必要と説明。さらにPAI指標の改訂と充実化には、SFDRのDNSH(Do Not Significantly Harm)原則毎に客観的な内容を特定した上で、社会指標も大幅に追加することが重要と考えると、多くの実務作業が必要になるとした。

 ESAsは今回、遅延の理由が、欧州委員会側にあるとの苦言も暗に仄めかした。まず、委託法令そのものが実務的な課題を曖昧にしており、例えば、「同等の情報」のような表現を安易に使用していることが、ESAs側の作業を膨らましていると苦言。さらに、当初はもっと早く着手する予定だったが、ガスと原子力に関する改正を欧州委員会が急遽行い、それにより、ESAsは規制テクニカル基準(RTS)を9月30日までに緊急に提出しなければならなくなったため、作業が遅れたと伝えた。

 その上でESAsは11月14日、SFDRに関するQ&A文書をリリース。PAIやタクソノミーに関する情報開示の詳細について説明している。

【参考】【EU】欧州金融監督機構、SFDR開示で原発とガスをタクソノミー全体から分離へ。反対派実質勝利(2022年10月1日)

【参照ページ】ESAs' letter to the European Commission regarding a delay in delivery of mandate to review SFDR Delegated Regulation
【参照ページ】Questions and answers (Q&A) on the SFDR Delegated Regulation (Commission Delegated Regulation (EU) 2022/1288)

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