豪包装大手アムコアは12月5日、米テキサス州で、エクソンモービルから再生ポリエチレン原料を調達する5年間の契約を締結したと発表した。調達料は毎年増加し、5年後には年間10万tに達する予定。
エクソンモービルは現在、テキサス州のベイタウンエリアで、同社の「Exxtend」技術を用いたケミカルリサイクルにより、廃プラスチックを年間6,700tリサイクルしている。同工場は、ISCC PLUS(ISCCプラス)認証も取得済みで、食品等級のプラスチック原料を生産している。2022年末には同施設の拡張工事が完了し、リサイクル能力は年間3万tと北米最大級となる。アムコアは同工場から再生ポリエチレン原料を調達する。
エクソンモービルは10月、同社とノルウェー・ケミカルリサイクル技術Agilyxとの合弁会社Cyclyx International、及び蘭化学ライオンデルバセルと協働で、テキサス州ヒューストンに廃プラスチックの選別・リサイクル施設の建設で基本合意を締結。2024年に商業運転を開始し、完成すると再生プラスチック原料の年間生産量は15万tとなる。
同リサイクル工場の特徴は、ケミカルリサイクルとマテリアルリサイクルの双方のラインを備えている点。廃プラスチックの品質に応じて、リサイクル手法を使い分ける。生産された原料は、ケミカルリサイクルされた原料はエクソンモービルとライオンデルバセルのプラントへ、マテリアルリサイクルされた原料はリサイクル市場に供給される。2023年に最終投資決定を行い、総投資額は約1億米ドル。
エクソンモービルは、既存の工場施設を活用し、2026年末までに世界中で年間50万tのケミカルリサイクル能力を構築する計画。Cyclyx Internationalも、2026年までに廃プラスチックを年間65万t以上処理することを目標としている。ライオンデルバセルも、2030年までにリサイクルおよび再生可能ベースのポリマーの生産・販売量を年間200万tにする目標を掲げている。
Cyclyx International、エクソンモービル、ライオンデルバセルの3社は、プラスチックリサイクル率の大幅な向上を支援することをミッションとするヒューストン市のコンソーシアム「ヒューストン・リサイクル・コラボレーション」に加盟しており、今回の協働に結びついた。
【参照ページ】Amcor drives progress on advanced recycling materials for food and healthcare markets
【参照ページ】Cyclyx, ExxonMobil and LyondellBasell Advance First-of-its-Kind Plastic Processing Facility in Houston
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