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【EU】EU理事会と欧州議会、エネルギー効率指令改正で政治的合意。コジェネ支援も2030年に終了

 EU上院の役割を担うEU加盟国閣僚級のEU理事会とEU下院の役割を担う欧州議会は3月10日、欧州委員会が提案した「Fit for 55」政策パッケージや「REPowerEU」政策の一端を担うエネルギー効率指令の改正で政治的合意に達した。今後、EU理事会と欧州議会での立法手続きに入る。

【参考】【EU】EU理事会、新車販売2035年ゼロエミッション化で妥結。Fit for 55パッケージ(2022年6月30日)

 今回の合意では、2030年のEUの省エネ目標を、欧州委員会が当初「Fit for 55」で提示した上回る11.7%に設定。EU加盟国に対し、最終エネルギー消費量の削減義務を、現行の毎年0.8%から毎年平均1.49%へと大幅に引き上げ、2030年末には1.9%に達するようにすることも決めた。建物、産業、輸送等の最終消費部門での省エネが不可欠となる。

 また、公共機関は、製品、サービス、建物、工事の公共調達において、省エネ要件を体系的に考慮することを義務化。公共部門には1.9%の年間エネルギー消費削減目標が新たに導入される。行政所有不動産の総床面積の毎年3%以上を省エネ修繕することも義務化。地方自治体も義務対象となる。人口45,000人以上の大規模自治体は、地域の冷暖房計画を実行することも義務化。最低要件を徐々に引き上げていく。地域暖房に接続される天然ガスを使用の高効率のコージェネレーション(熱電併給)システムへの支援は2030年で終了する。それ以外の化石燃料の使用は全面禁止となる。

 企業に対しても、年間エネルギー消費量が85TJを超える企業は、エネルギーマネジメントシステムの導入が義務化。年間エネルギー消費量が10TJを超えるとエネルギー監査の対象となる。また、大規模データセンターの省エネ性能に関する報告制度も初めて導入する。

 省エネ促進策では、融資制度を拡充。EU加盟国政府は、グリーンローン商品を促進することも義務化される。各加盟国には、省エネファイナンス金額について毎年報告する義務も負う。
 
 また今回の合意では、EU史上初めて「エネルギー貧困」の概念を導入。加盟国は今後、エネルギー貧困の影響を受ける人々、脆弱な顧客、低所得世帯層に対し、優先的に省エネ改善策を実施する義務を負う。

【参照ページ】European Green Deal: EU agrees stronger rules to boost energy efficiency

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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