国連グローバル・コンパクト(UNGC)は12月13日、企業向けに、自社内従業員での生活賃金確保のための実務ステップを提示した。
国連グローバル・コンパクトは7月、国連持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向け、企業に9つの具体的ゴールを掲げたイニシアチブ「Forward Faster」を開始。その中の一つに生活賃金も位置づけられている。
【参考】【国際】国連グローバル・コンパクト、「Forward Faster」開始。9つの具体目標。企業賛同受付開始(2023年7月27日)
今回提示のステップは、6つのステップで構成されている。
- 生活賃金の概念を理解。ビジネスにおける生活賃金の概念は、法的な最低賃金を超えて、従業員の公正な報酬を確保することを意味する。これは、基本的なニーズと適正な生活水準のための所得を意味し、社会のサステナビリティと倫理的労働慣行を目指す。
- 2030年までに組織全体の従業員の100%が生活賃金を得るというコミットメントを実施するため、シニア・リーダーシップの支持と支援を確保。
- 直接雇用の従業員に支払われている現在の賃金と、地理的条件を考慮した信頼できる生活賃金の推定値とのギャップを特定。賃金のギャップを分析し、地理的な差異を考慮することで、現実的な生活賃金のコミットメントを確保する。様々な地域に合わせて戦略を調整することで、地域の経済発展を支援しながら、社会的持続可能性に向けたより大きな移行に組織を合わせることができる。
- 労働者および労働者の代表と協力。生活賃金の実施は、労働者やその代表者との十分な協議なしにトップダウン方式で策定することはできない。労働組合は、企業レベルでの賃金協議において役割を果たすべき。企業は、賃金・労働条件が労働者代表のネットワーク、労働者委員会、企業委員会、労働組合の影響を確実に受けるよう、賃金設定プロセスにおける社会的対話の役割を認める必要がある。
- 明確で期限付きの目標を設定し、明確で透明性のある戦略と支払いプロセスを策定・実施し、生活賃金のコミットメントを達成するために賃金格差に対処する。これには、賃金格差に取り組む戦略をオープンに伝えることが含まれる。
- 継続的なモニタリングを実施し、賃金水準を改定。定期的に賃金を見直し、推定生活費を下回る賃金の支払いに対処するプロセスを設ける。
【参照ページ】Six practical actions for setting and reaching Living Wage targets
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