ドイツ、フランス、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、オーストリア、スイスの7政府は12月18日、2035年までに相互接続された電力系統をカーボンニュートラル化することを宣言する共同声明を発表した。
今回の発表は、7ヶ国が加盟する2005年創設の電力市場統合機関「ペンタラテラル・エネルギー・フォーラム」の下で発表されたもの。欧州全体では2040年までに電力系統がカーボンニュートラル化できると予測し、ペンタラテラル・エネルギー・フォーラムとしては5年前倒しで実現することを打ち出した。同様の宣言は、英国は2021年10月に、ドイツ政府も単独で2022年に宣言していた。
今回の発表では、各国の電力システムのカーボンニュートラルを7カ国が協力し合う関係を構築する意味があると説明。主に、インフラ共同計画の策定、結果として生じるコスト効率とナレッジの共有に重きを置いた。また幅広い蓄電インフラも含めて協調していく。
今回のカーボンニュートラル化は、石炭火力発電やガス火力発電を必要としない形で実現すると表明。再生可能エネルギーと原子力発電、幅広い蓄電インフラの3つが主要な達成手段となるとみられる。
またEU加盟国閣僚級のEU理事会は12月19日、ウクライナ戦争を受け2022年に緊急措置として採択された3つの緊急EU理事会規則を延長することでも合意した。公式採択後にEU官報に掲載され、直ちに発効する。
3つの緊急規則の1つ目は、ガスの共同購入やガス関連施設の共有を義務化したもの。今回の協議では、2024年12月31日まで1年間延長することで合意。但し、今回の延長では、ガス共同購入の強制参加に関する条項は削除することを決め、加盟国が自主的に判断できることにした。
2つ目が、再生可能エネルギーの導入促進に関するもの。緊急規則では、再生可能エネルギー発電所建設の許認可プロセスを簡素化する措置を設けており、こちらは2025年6月30日まで延長されることになった。
3つ目は、ガス価格の急騰を阻止する市場是正メカニズムに関するもの。こちらは2025年1月13日まで1年間延長される。
【参照ページ】Group of European countries aim to decarbonize their electricity system by 2035
【参照ページ】Energy prices and security of supply: Council agrees to extend emergency measures
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