
欧州委員会は5月30日、EU共通農業政策(CAP)での農家に対する補助金支給で、不可抗力及び例外的状況の適用条件を明確にした。これにより洪水や旱魃等の異常気象被害は「不可抗力」として扱われ、農家に対する生産補助金に影響を与えないことが明確となった。
【参考】【EU】欧州委、農家オンライン調査開始。行政負担炙り出し。持続可能な農業促進の障壁撤廃へ(2024年3月10日)
今回の行政通知は、共通農業政策(CAP)に基づき農作物生産量等に応じ農家に支払われる補助金のルールを明確にしたもの。欧州委員会は2月頃に発生した農家の抗議行動を受け、農家向け制度の見直しを進めており、その一環として今回の通知も発出された。
今回の行政通知により、洪水や間伐等の異常気象による生産減少を「不可抗力」事項と認定することを明確にした。農家に対する気候変動適応の姿勢を明確にしたともいえる。
実際のプロセスでは、まずEU加盟国政府が、深刻な自然災害または深刻な気象現象が発生したことを確認し、その事象によって深刻な影響を受け、その結果をあらゆる注意を払っても防ぐことができなかった地理的範囲を指定する。その際に、影響を受ける農家を定義するために、斜面の勾配、土壌の種類、栽培されている作物の種類等の付加的な要素を事前に設定しておくこともできる。これにより、気象現象と地理的範囲が指定されると、自動的に適用される農家が確定することになる。
欧州委員会は、小規模農家の行政負担軽減で、2月22日に政策パッケージ案を発表。その後、欧州議会とEU理事会で可決され、5月25日に発効している。
【参考】【EU】欧州委、農家の行政負担減で政策パッケージ提案。小規模農家に配慮。農業環境改革立て直し(2024年2月23日)
【参照ページ】Commission clarifies support for farmers in case of exceptional weather eventsforce majeure
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