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【国際】英財相、ESG評価機関規制の2025年立法に意欲。政策介入独立性が世界的なカギに

 英レイチェル・ジェーン・リーヴス財相は8月8日、ESG評価機関を規制する新法案を2025年中に提出する考えを表明した。世界各国での同様の動きが広がる中、世界の金融の中心地である英国での立法議論の動向に注目が集まる。

 ESG評価機関に対するルールでは、証券監督者国際機構(IOSCO)が2021年11月に勧告を採択し、各国の証券監督当局に対し、ESG評価機関やESGデータプロバイダーの事業慣行や影響力、課題に注視するよう促しつつ、ESG評価機関やESGデータプロバイダーに対しても、透明性や品質を向上させるためのプロセスを設計し開示することを促している。

【参考】【国際】IOSCO、ESG評価に関する勧告採択。当局、評価機関、市場関係者、発行体向け(2021年12月4日)

 その後、日本の金融庁は2022年12月、「ESG評価・データ提供機関に係る行動規範」を公表。2023年12月には、国際資本市場協会(ICMA)もESG評価機関・サービスプロバイダーに対する自主的な国際行動規範を発行。そして、インド証券取引委員会(SEBI)も2024年5月、ESG評価機関向けの規制を導入し、ESG評価事業に関してはSEBIの登録認可が必要となった。SEBIルールでは、時宜を得ながらインド市場の文脈に沿った評価を行うことを義務化し、それに伴い、S&PグローバルとSustainalyticsは、ESG評価事業のインド市場からの撤退を決定している。SEBIには現在8社が登録認可を受けているが、グローバル大手企業はまだゼロ。

【参考】【日本】金融庁、ESG評価・データ提供機関に係る行動規範を公表。投資家と企業にも提言(2022年12月20日) 【参考】【国際】ICMA、自主的なESG評価機関・サービスプロバイダー行動規範策定。国際共通規範(2023年12月17日) 【参考】【インド】証取委、ESGで発行体、評価機関、投資家に包括的規制案発表。世界最高水準級(2023年2月28日)

 欧州では先に、欧州証券市場監督局(ESMA)が2022年6月、EUでのESG評価機関の市場構造に関して調査し、欧州委員会に報告書を提出。それを受け、欧州委員会は2023年6月のサステナブルファインス政策パッケージの中で、ESG評価機関向け規制の強化を掲げている。この案では、欧州証券市場庁(ESMA)の登録認可制度を導入した上で、客観的で検証が可能な評価手法の導入を義務化。評価手法は継続的に年1回以上レビューすることも義務化しようとしている。

【参考】【EU】欧州証券市場監督局、ESG評価機関に関する調査結果公表。今後、規制の在り方検討(2022年6月28日) 【参考】【EU】欧州委、気候変動以外のEU環境タクソノミー承認。6テーマ出揃う。ESG評価機関規制も(2023年6月17日)

 英国では、政権交代前のスナク首相時代に、FCA(金融行為規制機構)が、ESG評価・データプロバイダー向けの自主的な行動規範案を発表していた。しかし、スターマー政権は、自主的な行動規範ではなく、立法による規制を導入することを目指す。立法案は、英金融行動監督機構(FCA)で行う。

 リーブズ財相は今回、ESG評価機関の透明性の欠如を特に懸念しており、それを明確にすることが、英国でのサステナブルファイナンス・セクターの発展の鍵になるとの見方を示した。

 IOSCOが2021年に発表した勧告では、ESG評価機関の評価手法は、各国の政策介入から独立すべきとの原則も掲げている。ESG評価機関の立法規制が導入されるにつれ、各国の政権による介入からの独立性確保の重要性が増していくことになる。

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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