
国際金属・鉱業評議会(ICMM)は7月30日、加盟企業25社の労働安全パフォーマンスに関する報告書の2023年版を発表した。世界の鉱業・金属セクターの3分の1を占める25社のICMM加盟企業の年間状況をまとめた。
2023年の死亡事故は合計36件。2022年の33件から増加した。南アフリカでの死亡者数が最も多く13名、全体の36%を占める。25社のうち12社では、死亡事故がゼロだった。
(出所)ICMM
死亡事故は、全体の47%が地下坑内で発生。2017年以前に南アフリカで多発していた地下坑内での崩落事故は2件と大幅に減少した。その他の死亡事故の原因として感電死がある。テスト手順に従っていないことや適切なツールを利用していないことを原因として挙げた。単位時間当たりの死亡事故発生頻度率と傷害発生頻度率には相関関係はない。2023年に死亡事案がゼロだった12社のうち5社は、傷害発生頻度率が平均より高かった。
同報告書では、死亡事故が亡くならない原因として「規則や手順が守られない」「設計」「安全に対する文化」「リスク管理」「保守運用」「請負業者の管理」の6つを挙げた。請負業者の管理では、請負業者の選定、管理、監督を行い、安全に関する組織プロセスとルールを遵守させることが重要とした。請負業者の死亡者の割合は2023年の死亡者数の69%を占める。
労災の報告基準を高く設定することで、企業は従業員に対して積極的なリスク管理の重要性を伝えることができ、健全な安全文化の構築と適切な介入やリスク管理につながり、結果として死亡事故の減少につながると報告した。
(出所)ICMM
【参照ページ】ICMM reports 2023 safety performance of members
【参照ページ】Safety Performance: Benchmarking Progress of ICMM Company Members in 2023
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