
米航空宇宙局(NASA)と国防総省は12月11日、海面上昇と地下水供給の変化により、2100年までに地下水への塩水浸入リスクが高まっていると発表した。論文が「Geophysical Research Letters」に掲載された。
同論文によると、2100年までに世界中の沿岸地域の4つのうち3つで、海水が地下の淡水供給源に浸入する「塩水遡上」が発生するという。塩水遡上が発生すると、沿岸の帯水層の水が飲料用に適さなくなったり、灌漑に使えなくなったりするとともに、インフラや生態系にも大きな影響を与える。
陸地に降った雨は、沿岸の帯水層に淡水を涵養し、その淡水は地下を海に向かって流れていく。一方、海水は海の圧力に後押しされ、内陸へと押し流される傾向がある。この2つが交わる交差ゾーンでは多少の混合が見られるものの、通常、相反する力のバランスにより、一方では新鮮な水が、他方では塩分を含んだ水が分離して維持されている。
しかし、気候変動による海面上昇によって海岸線が内陸に移動し、海水を陸に押しやる力が増大。同時に、降雨量の減少や天候パターンの温暖化によって地下水の涵養量が低下。これにより、力のバランスが崩れてきている。
(出所)NASA
同論文によると、塩水遡上リスクの高い地域は、北アフリカから中東、北南米の太平洋側、オーストラリア西南部、アフリカ西南部、東南アジアの低地帯。調査によると、海面水位の変化と地下水涵養の複合的な影響により、2100末までに、評価対象となった沿岸流域の77%で塩水遡上が発生するという。
海面上昇の影響では、塩水遡上の規模は約200m未満、地下水涵養量の低下では、同約1.2km未満の影響が予想されている。
【参照ページ】NASA-DOD Study: Saltwater to Widely Taint Coastal Groundwater by 2100
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