
米アップルの取締役会は1月12日、保守派シンクタンクの全米公共政策研究センターが提出したダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン(DEI)プログラム、方針、部門、目標の廃止を求める株主提案に対し、反対推奨の立場を表明した。同シンクタンクは2024年の株主総会でも同様の株主提案を提出し、賛成31%、反対69%で却下されている。
今回の株主提案では、米連邦最高裁判所の判決を引き合いに出し、企業のDEIプログラムの合法性に疑問が呈されるようになり、米企業に対しては従業員から逆差別訴訟が相次いで発生していることも付言した。その上で「DEIが企業にとって訴訟リスク、評判リスク、財務リスクをもたらし、株主にとって財務リスクをもたらし、受託者責任を順守しないことによって企業がさらなるリスクに直面することは明らか」と伝えた。
これに対し、アップルの取締役会は、誰もが最高の仕事ができる帰属意識のある企業文化の創造に努めることは、同社の「ビジネス行動およびコンプライアンスに関する方針」で示されており、同社の事業運営の基盤と言及。今回の株主提案は、同社の通常の業務運営、人員及びチーム、事業戦略を管理する能力を不当に制限しようとするものと伝えた。
また、同社は、募集、採用、研修、昇進において、法律で保護されているいかなる基準に基づく差別も行っておらず、コンプライアンスリスクに対処するために、同社の業務、方針、目標を適切にモニタリングし、改善していることを強調した。同社はすでにDEIから「エクイティ」の文言を削除し、「インクルージョン&ダイバーシティ」に変更しており、逆差別の指摘を回避する手を打っている。
さらに、同提案は、同社の経営方針を過度に細部にまで踏み込む「マイクロマネジメント」行為との認識も示した。米証券取引委員会(SEC)は、マイクロマネジメントの株主提案を、株主総会議案から除外できるとのルールを規定しているが、同社は今回、除外許可をSECに申請するのではなく、議案とした上で、否決に追い込む模様。
今回の株主提案では他に、倫理的なAIデータ取得・活用に関する報告、子供の性的虐待マテリアル(CSAM)識別ソフトウェアの投資対効果に関する報告、表現の自由と信教の自由の軽視につながるような慈善活動の報告の3つもあるが、いずれに対しても、同社がすでに高い次元で経営を行っていることを理由に反対推奨を出している。
【参照ページ】2025 Proxy Materials
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