
財務会計基準機構のサステナビリティ基準委員会(SSBJ)は3月5日、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)がサステナビリティ開示基準の「一般サステナビリティ開示事項(IFRS S1)」と「気候関連開示事項(IFRS S2)」の初版を発行したことを受け、開示基準を公式発行した。
【参考】【日本】SSBJ、基準草案を公表。ISSB基準をほぼそのまま受容。7月31日までパブコメ募集(2024年4月12日)
今回公表したのは、金融商品取引法上のサステナビリティ開示基準となる「サステナビリティ開示基準の適用」「一般開示基準」「気候関連開示基準」の3つ。「一般サステナビリティ開示事項(IFRS S1)」に対応するものが「サステナビリティ開示基準の適用」「一般開示基準」、「気候関連開示事項(IFRS S2)」に対応するものが「気候関連開示基準」。また、SSBJ基準は、適用対象を定めてはいないが、東京証券取引所プライム上場企業を想定して開発された。
SSBJ基準は、ISSB基準との整合性を確保することを基本方針とし、相応の理由があると考えられる場合にのみ、ISSB基準とは別にSSBJ独自の基準を選択できるようにした。必要と認められる場合には、ISSB基準に準拠するために自ずと入手される情報の範囲に限定し、ISSB基準の要求事項に追加した定めが設けられた。
ISSB基準との違いでは、スコープ3はカテゴリー別に開示することが要求される。また、ISSB基準の条項を適用し、温室効果ガス排出量の算定においては、GHGプロトコルの他に、日本の温暖化対策法(温対法)にSHK基準も選択することができるようにもした。但し、SHK基準での算定と、その他のSSBJ基準での算定の期間に大きなズレが生することを避けるため、合理的な方法により期間調整を行い、SSBJ基準報告の期間に合わせるルールとなった。
またISSB基準との違いでは、気候関連のリスクと機会の評価では、数値やパーセントでの開示ではなく、「大」「中」「小」のような開示でも可とすることを明確にした。役員報酬での気候関連評価項目の組入では、ESG全体の評価項目のように気候変動を内包する評価項目の開示でも可とすることを明確にした。
ファイナンスド・エミッションの算定では、ISSB基準でも、GICSに基づきセクター別に開示することが要求されているが、GICSコードの収集のために有償で購入する必要性があるとも考えられることから、当面の間、セクター別のファイナンスド・エミッションの開示をしなくてもよいこととなった。今後、ISSB基準の改訂の動きを見守る。
2024年3月に発表されたSSBJ基準草案との違いでは、SSBJがISSB基準にはなく独自に設けようとしていたレジリエンスの評価の頻度、スコープ1、2、3の合計値の開示、内部炭素価格(インターナル・カーボンプライシング)を用いる目的が複数の場合の取扱い、ガイダンスの情報源の適用可能性を考慮する際の文書等に関する内容は削除された。その他、細かい文言修正等は多数実施されている。
SSBJは、ISSBが発行する付属ガイダンスや教育的資料に関しては、SSBJは「補足文書」として今後、発行していく。但し、ISSBと同様に、補足文書については、SSBJ基準そのものの構成文書としては扱われず、あくまで参考文書となる。またSSBJ基準を適用する上で有用と考えられる情報については、SSBJの審議を要しない参考資料として「SSBJハンドブック」も公表していく。
SSBJは、基準の策定のみを行うため、基準の適用タイミングについては、金融庁や東京証券取引所で定めることになっている。
【参照ページ】サステナビリティ基準委員会がサステナビリティ開示基準を公表
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