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【EU】欧州製薬団体連合会、医薬品アクセスで欧州委に警鐘。米国関税とイノベーション弱体

 欧州製薬団体連合会(EFPIA)は4月8日、欧州委員会に対し、医薬品政策の抜本的な転換を促す声明を発表した。米トランプ大統領の関税政策への対抗策を打ち出せなければ、EU域内の製薬企業が米国に事業拠点を移す可能性があると警鐘を鳴らした。

 今回の声明は、EFPIAが加盟企業のCEOに対して実施した調査を基としている。同調査には18社が回答。EU27カ国では2025年から2029年にかけ、医薬品の設備投資と研究開発に総額1,648億ユーロ投資が見込まれているが、そのうち、設備投資額の85%に相当する約506億ユーロ、研究開発費の50%に相当する(約526億ユーロ)がリスクにさらされる可能性があるとした、今後3ヵ月間だけでも、合計165億ユーロがリスクにさらされると見積もった。

 同声明は、米国に医薬品業界は、資本アクセスの状況、知的財産、許認可スピード、イノベーションへの報酬等、あらゆる投資家指標で欧州をリードしており、関税の脅威が加わると、EU域内に投資するインセンティブはほとんどなく、米国への移転に拍車がかかると伝えた。米国政府の相互関税は、現時点では医薬品は除外されているが、トランプ政権は別途医薬品関税を検討している。

 医薬品政策に関しては、欧州委員会は3月11日、新型コロナウイルス・パンデミックでの医薬品不足も踏まえ、EU域内における重要な医薬品の供給能力を向上させるためのEU規則として、重要医薬品法を制定する政策を発表。サプライチェーンの多様化と、EU域内の医薬品製造を促進するとし、医薬品アクセスを改善するとしている。特に、医薬品メーカーや供給国が限られている医薬品や有効成分について、依存を減らし、EUのレジリエンスを強化することを重視している。

 具体的には、戦略的プロジェクトに対しては、資金アクセスを支援し、行政、規制、科学的支援も迅速化。EU加盟国の補助金を促進するための政策ガイダンスも発表する。サプライチェーンの多様化とレジリエンスでは、公的調達も活用し、重要医薬品については、調達者は調達手続に、多様な原料供給源やサプライチェーンの監視等の要件を盛り込む。輸入リスクの高い医薬品に関しては、複数のEU加盟国での共同購入や、EU域内医薬品を優先調達する仕組みも検討する。

 今回のEFPIAでの声明では、欧州委員会に対し、イノベーションの促進、知的財産条項の強化、世界をリードするイノベーション促進を実現するための規制枠組み、欧州における医薬品のレジリエントな製造とサプライチェーンを確保するため、環境法制と化学法制にまたがる政策の一貫性を確保を提言した。4月17日は個別の政策の改善点についても表明している。

 同生命は、欧州委員会が、短期的な医薬品アクセスに比重を置き、薬価の引下げを行うよりも、EU域内での研究開発や設備投資を促進できるようEU医薬品メーカーの長期的な成長を欧州委員会に促したと言える。

【参照ページ】Pharma CEOs alert President von der Leyen to risk of exodus to the US 【参照ページ】Commission proposes Critical Medicines Act to bolster the supply of critical medicines in the EU 【参照ページ】Our submission on the call for evidence on the new Strategy for European Life Sciences can be found here.

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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