
米ドナルド・トランプ大統領は4月24日、米国の排他的経済水域(EEZ)及び大陸棚の内外での海底鉱物資源開発を積極化する大統領令に署名した。資源開発で優位に立つ中国に対抗する。
同大統領令では、「鉱物」を、合衆国法典第30編1606条(a)(3)に基づいて指定された重要鉱物の他、ウラン、銅、カリ、金、さらに国家エネルギー支配評議会の議長が決定したその他の元素または化合物と定義。さらに「海底鉱物資源」を、多金属団塊、コバルトが豊富なフェロマンガンの地殻、多金属硫化物、重鉱物砂、燐灰石、その他の鉱物含有物質と定義した。
【参考】【アメリカ】トランプ大統領、商務長官に重要鉱物輸入リスク調査指示。新たな関税発動へ(2025年4月17日)
【参考】【アメリカ】トランプ大統領、石炭火力促進の大統領令署名。抵抗する州政府も排除へ(2025年4月9日)
同大統領令は、まず、米国が管轄権を行使できる排他的経済水域(EEZ)及び大陸棚に関し、内務長官に対し、大陸棚外縁法に基づき、大陸棚外縁の海底鉱物資源の探査・開発・生産のための試掘許認可及びリース許可の審査・承認のための迅速化プロセスを、合法的に確立するよう指示。また、どの重要鉱物が海底資源から得られるかを特定し、防衛インフラ、製造、エネルギー等の用途に不可欠な重要鉱物を示すために、国防長官およびエネルギー長官と調整することも指示した。
次に、主要パートナー国や同盟国の管轄権が及ぶ排他的経済水域(EEZ)及び大陸棚に存在する海底鉱物資源に関しては、商務長官に対し、海底鉱物資源探査、採掘、加工、環境モニタリング支援を提供するよう指示した。
そして、公海上の海底鉱物資源については、商務長官に対し、採掘・開発のための国際利益共有メカニズムの実現可能性に関する共同報告書を、経済政策担当大統領補佐官、国家エネルギー支配評議会議長、国家エネルギー支配評議会副議長に提出するよう命じた。さらに、商務省海洋大気庁(NOAA)長官を通じて国務長官と内務長官と協議し、深海底硬質鉱物資源法に基づき、海底鉱物資源探査ライセンス及び商業的回収許認可審査・発行プロセスを迅速化するよう命じた。
海底鉱物資源の開発では、米国の民間企業を重視。商務長官に対し、米国の管轄権内及び公海での海底鉱物資源の企業の関心と機会をまとめた報告書の作成も命じた。さらに、米国の大陸棚外縁を優先して資源開発ポテンシャルを示す海底の優先地域を地図化する計画を策定するよう指示した。
その上で、国防長官とエネルギー長官に対し、海底多金属団塊に由来する物質の物理的または仮想的な貯蔵のための国防備蓄の活用を進めるための報告書を、経済政策担当大統領補佐官、国家エネルギー支配評議会議長、国家エネルギー支配評議会副議長に提出するよう指示。企業への無償資金協力や融資の権限、国防生産法等の権限の活用を検討することも指示した。
米国は、2024年6月に国連海洋法条約締約国会議で採択された「国家管轄権を越える生物多様性(BBNJ)協定」に同9月に署名しているが、第2次トランプ政権下で批准される見通しは極めて低い。中国政府も同9月に署名している。
【参照ページ】Fact Sheet: President Donald J. Trump Unleashes America’s Offshore Critical Minerals and Resources
【参照ページ】UNLEASHING AMERICA’S OFFSHORE CRITICAL MINERALS AND RESOURCES
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