
カナダのオンタリオ州政府は5月8日、同地域電力大手オンタリオ・パワー・ジェネレーション(OPG)に対し、ダーリントン新原子力プロジェクト用地で計画されている4基の小型モジュール式原子炉(SMR)のうち、最初の1基の建設許可を発出した。完成するとG7初さらに北米初の商業用SMRとなる。運転開始目標は2030年。総工費は209億カナダドル(約2.2兆円)。
今回建設されるのは、GE日立ニュークリア・エナジーの「BWRX-300 SMR」。設備容量は300MW。30万世帯分の電力を供給できる。また同州エネルギー・鉱山省は、今回の建設許可により、最大18,000人のカナダ人雇用が創出され、オンタリオ州での経済効果は毎年5億カナダドルと発表。4基全て(設備容量合計1.2GW)の建設・運転・保守では、65年間で385億カナダドルのGDP創出があると推計している。
カナダ連邦政府は2020年12月、「カナダSMRアクションプラン」を発表し、SMR技術の開発と導入で世界的なリーダーになると標榜。過去60年以上にも及ぶイノベーション、世界トップクラスの規制当局、活気ある国内サプライチェーンにより、カナダの原子力産業は、2040年までに年間1,500億カナダドルにまで成長すると宣言している。
OPGは4月、カナダ原子力安全委員会から建設許可を取得。州政府も補助金支給を決定している。
さらに、今回の建設では、カナダ連邦政府のアクションプランにも則り、地元の経済発展を重視。オンタリオ州政府は、OPGと協力し、プロジェクト支出の80%がオンタリオ州の企業に支払うことや、建設と操業によるオンタリオ州の労働者と雇用保護、今後65年間にわたり推定3,700人の高技能・高賃金の雇用確保で合意している。すでにオンタリオ州内企業80社以上が、OPGと契約を締結済み。
また、オンタリオ州独立電力系統運用機関(IESO)は、今回のダーリントン新原子力発電プロジェクトが、ゼロエミッション型の他の発電形式と比較した場合、コストとリスクの観点から最良の選択肢と結論づけている。
OPGは、オンタリオ州政府と協働し、アルバータ州、サスカチュワン州、ニューブランズウィック州の電力会社とも協力して、各々の管轄区域でのSMR配備に向けた計画も展開中。さらに、オンタリオ州政府が雇用創出協定の締結を支援し、オンタリオ州産部品を世界中のSMR建設計画に売り込んでいる。
OPGは、先住民との関係では、2021年に「和解アクションプラン」を策定。先住民コミュニティとのエンゲージメント、協力、パートナーシップを通じて、先住民コミュニティや先住民企業との経済的和解を進めることも盛り込んでいる。
その一環として、3月にグリーンボンド10億カナダドル(約1,100億円)を発行した際には、先住民が過半数の株式を所有するカナダ初の証券会社Cedar Leaf Capitalも共同主幹事として参画している。
【参照ページ】Ontario Leads the G7 by Building First Small Modular Reactor
【参照ページ】OPG issues $1 billion in green bonds and welcomes Cedar Leaf Capital to its dealer syndicate
【画像】OPG
無料会員に登録すると、
有料記事の「閲覧チケット」を毎月1枚プレゼント。
登録後、すぐにご希望の有料記事の閲覧が可能です。
無料登録してチケットを受け取る
【無料会員向け】有料記事の閲覧チケットの詳細はこちら
または
有料会員プランで
企業内の情報収集を効率化
- 2000本近い最新有料記事が読み放題
- 有料会員継続率98%の高い満足度
- 有料会員の役職者比率46%
有料会員プランに登録する