
水ソリューション・スタートアップの米グラディアントは6月24日、同社のリチウム部門alkaLiが、米ペンシルバニア州マーセラス・シェール層エリアに、油田廃水からリチウムを抽出、濃縮、変換する世界初のエンドツーエンドのリチウム量産施設を建設すると発表した。
グラディアントは、2013年にマサチューセッツ工科大学(MIT)からスピンアウトして設立。産業廃水リサイクル、工業プロセスでの水使用量削減、PFASを含む化学物質濾過等のソリューションを提供している。
alkaLiは2024年6月、廃水からバッテリーグレードのリチウムを製造する世界最高効率プロセスである「EC2」を発表。リチウム回収率は95%以上で、年間運営コスト(OPEX)を50%削減、資本コスト(CAPEX)をゼロに抑えるながら、バッテリー品質のリチウム炭酸塩を供給できる。
同プロセスでは、同吸着剤等を用いてリチウムを抽出する直接リチウム抽出(DLE)、濃縮、最終変換を統合しており、スケールしやすいモジュール式を採用。リアルタイム制御と予測メンテナンスにAIを活用し、パフォーマンスを最適化している。また、油田廃水以外にも地熱塩水やバッテリーリサイクル時の水等にも適用可能であり、環境負荷の削減と許認可手続きを簡素化できる。
今回の発表では、alkaLiがペンシルバニア州の施設を設備、土地、水権、鉱物権、許可証を保有する一気通貫モデルで運営。これにより、権益や許認可の複雑性を回避し、長期的な米国産リチウムの供給を効率的に確保する。
現在実証中のシステムでは、油田廃水からのリチウム回収率が97%、バッテリーグレードのリチウム炭酸塩の純度は99.5%で、主要なベンチマークを達成済み。2026年初頭までに稼働開始を予定している。
すでに、同施設で生産されるリチウム炭酸塩を米国のEV及びエネルギー貯蔵システム(ESS)向けリチウムバッテリーメーカーに、年間5,000t供給する複数年契約を締結済み。同施設でのリチウム生産量は、米国におけるリチウム需要の50%を供給する可能性がある。
【参照ページ】
Gradiant Announces World’s First Fully Integrated Lithium Production Facility from Oilfield Produced Water
【参照ページ】
Gradiant Launches alkaLi, Powered by EC², the World’s Most Efficient Battery-Grade Lithium Production Process
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