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【EU】欧州委、2040年GHG削減目標を1990年比90%減に。EU版IRAも勧告

 欧州委員会は7月2日、改正欧州気候法案を発表。2040年までの温室効果ガス・ネット排出量目標を1990年比90%減に設定する案を示した。今後、EU理事会及び欧州議会との協議に入る。

 欧州委員会は今回、90%減の背景について、すでに掲げているEU競争力コンパス、 クリーン産業ディール、アフォーダブル・エネルギー行動計画と整合するものと説明。現在の経済的、安全保障的、地政学的な状況を完全に考慮し、EUのクリーンエネルギー移行において投資家と企業が必要とする予測可能性と安定性を提供するものと説明した。

 欧州委員会は2024年2月、90%減の目標を設定しにいく指針を掲げており、原案のまま押し切った形。また、英ケンブリッジ大学のサステナビリティ・リーダーシップ研究所(CISL)率いるCorporate Leaders Group(CLG)率いる大企業グループは5月、EUに対し90%減の目標設定を求める共同声明を発表しており、要請に応じる結果にもなった。

【参考】【EU】企業・金融機関123社、EUに2040年GHG90%減を要求。EU経済の競争力向上に向け(2025年6月6日) 【参考】【EU】欧州委、2040年CO2を1990年比90%減提案。今後EU加盟国との協議(2024年2月8日)

 現行のEU気候法では、2035年目標として1990年比55%減を法定目標として掲げており、今回の改正では2040年の法定目標を設定しにいく。また達成に向けては、高品質の国際カーボンクレジットの活用制度を2036年から開始するとともに、EU二酸化炭素排出量取引制度(EU-ETS)でも除去型カーボンクレジットの導入。これにより、従前よりも実現に向けた選択肢を増やし、EU加盟国の柔軟性を引き上げる。また、達成が比較的容易な廃棄物や交通・輸送部門での削減目標を引上げ、難易度の高い農業関連等の土地利用部門の未達分を補うことも検討する。

 その一つとして、欧州委員会は6月25日、クリーン産業ディールを支援する新たな国家援助枠組みを発表。再生可能エネルギーと低炭素燃料の導入、エネルギー多消費事業者に対する一時的な電気料金軽減措置、既存の生産施設の脱炭素化、EU内のクリーンテクノロジー製造能力の拡大、クリーンエネルギー、脱炭素化、クリーンテクノロジー、エネルギーインフラプロジェクト、サーキュラーエコノミーを支援するプロジェクトへの投資のリスク軽減の5分野について、EU加盟国政府が国内向け補助金を導入しやすくする簡素化措置を決めた。

 さらに7月2日には、欧州委員会は「税制優遇措置に関する勧告」も発行。再生可能エネルギーやクリーン技術の研究開発や導入に関し、EU加盟国が早期除却や税額控除等の政策を発動するよう促した。これは、米国がバイデン政権中に成立させたインフラ抑制法(IRA)のEU版とも言える。

【参考】【アメリカ】One Big Beautiful法案、両院で可決。IRA税控除「廃止」を「減額」に修正(2025年7月4日)

【参照ページ】EU's Climate Law presents a new way to get to 2040

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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