
EU上院の役割を担うEU加盟国閣僚級のEU理事会は7月18日、2022年に制定されたガス貯蔵規則の適用を2027年末まで2年間延長する改正EU規則案を採択した。同EU規則案はすでに欧州議会を通過しており、EU官報掲載の翌日に発効する。
【参考】【EU】欧州委、ロシアからの化石燃料依存度を2030年前にゼロへ。再エネ・グリーン水素加速(2022年3月9日)
同規則は、2025年末の時限立法として制定され、冬期のガス需要に備えたガス備蓄をEU加盟国に義務化している。EU加盟国は、地下ガス貯蔵施設を毎年11月1日までに年間貯蔵容量の90%(2022年のみ80%)まで補充する義務が課されている。また、毎年2月、5月、7月、9月に中間補充目標を設定し、月次レベルで欧州委員会や他の加盟国に報告することも義務付けられている。
同規則では、「負担共有制度」が設けられており、貯蔵施設を持たないEU加盟国は、他国に貯蔵費用の一部を負担することで、貯蔵を委託することができる。また、貯蔵施設は「重要インフラ」とみなされ、セキュリティーを確保するための認証手続が導入されている。
今回の改正規則では、90%の貯蔵目標を維持。一方で、目標達成が困難な状況も度々生まれているため、目標達成ルールを緩和し、柔軟性を引き上げる。具体的には、達成期限を10月1日から12月1日までの期間内に柔軟に設定可能とし、現在の11月1日の厳格な期限が廃止される。以前は11月1日の目標達成時期に需要が集中することが予見されたため、市場価格が釣り上げられる事態も発生していた。
さらに、貯蔵施設への補充が困難な場合、貯蔵率を80%に引き下げられる柔軟性ルールが導入。また、欧州委員会が、持続的に不利な市場環境の場合には貯蔵目標の柔軟性を最大75%まで引き下げられる委託法令(政令に相当)を制定できるようにもした。
【参照ページ】Gas storage: Council greenlights 2-year extension of reserves filling rules to safeguard winter supply
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