
国連責任投資原則(PRI)は7月28日、米国での第2期トランプ政権以降の米国の機関投資家署名機関の対応について、米国で行われたラウンドテーブルの結果を公表した。「署名機関は責任投資を一時停止したり後退させたりしていない」と強調した。
ラウンドテーブルは、ニューヨーク、ボストン、シカゴ、ロサンゼルスの4カ所で開催。合計80を超える機関投資家が参加した。総括では、国内政策の変更や地政学的な変化に伴う懸念や不確実性にもかかわらず、ESG投資の実践は変わっていないことが確認された。具体的には、サステナビリティ関連情報を投資意思決定に組み入れることや、発行体との対話、特定の投資目標を持つアセットオーナーをサポートすることが継続されていた。
他方、対内・対外コミュニケーションには修正がみられた。具体的には、報告書名や報告書の中身で「ESG」用語の使用を減らし、「サステナビリティ」用語への置き換えや、省エネ、水使用量等の具体的な課題への言及を優先。また、サステナビリティ報告書やCSR報告書の公表を控えることや、特定の賞への応募を控える動きも出ていた。
同様に、集団的エンゲージメントでの公開書簡への署名や声明への参加についても控える動きが確認された。一方、政治家や政府への直接的なエンゲージメントは継続されている模様。既存の業界イニシアチブや業界団体を通じたエンゲージメントも機能していた。
その反面、ポジティブな効果あったとする参加者もいた。具体的には、サステナビリティ・ESGチームと、法務・コンプライアンス部門との連携が強化され、企業の中での存在感が高まったという意見があった。
責任投資部門の2025年の主なミッションでは、ESG投資がクライアントの受託者責任と密接に関連していることを明確にすることや、新たな法律や規制が投資行動にどのように適用されるかを理解し、遵守に努めること、発行体と投資家の開示に関するグローバルな整合性向上に向けた継続的なアクションを促進することを挙げる声が多かった。
PRIは今後、広範な政策や政治的動向を整理し、署名機関の通常業務に落とし込む支援を強化していくと伝えた。
【参照ページ】How PRI signatories are navigating US policy uncertainty
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