
米ドナルド・トランプ大統領は7月28日、EU欧州委員会と貿易協定を締結したと発表。相互関税率を15%に引き下げる代わりに、EUは2028年までに米国投資や米国からのエネルギー購入を拡大する。
米大統領府(ホワイトハウス)が、相互関税について、貿易協定を締結したと発表したのは、英国、中国、インドネシアに続いて、EUが4番目の国・地域。日本を含めた他の国とも相互関税率の引下げ等で合意したという発表はされているが、貿易協定は未締結の模様。
米政府が4月2日に発表した相互関税率では、EUは20%だったが、今回の貿易協定は15%にまで引下げられた。また、自動車・自動車部品、医薬品、半導体に課している追加関税も15%に引下げられた。但し、鉄鋼・アルミニウム・銅に関する追加関税は引下げられず、引き続き50%が課される。
【参考】【アメリカ】トランプ大統領、相互追加関税決定。日本24%。中国はデミニマス廃止も(2025年4月3日)
【参考】【アメリカ】トランプ大統領、自動車と自動車部品4種に25%関税発動。インフレ懸念なしと説明(2025年3月7日)
【参考】【アメリカ】トランプ大統領、鉄鋼・アルミ関税率を50%に引上げ。対英は25%のまま(2025年6月5日)
EUから米国への投資額は、現状100億米ドル程度。今回の合意ではこれを6倍にまで引き上げることになった。他に、EUは米国の武器を大量に購入することで合意。サプライチェーンのレジリエンスとイノベーションを強化するため、経済安全保障の連携も深め、対内投資及び対外投資の審査、輸出管理、関税回避について協力することでも合意した。農業分野では、非関税障壁を引下げる努力を双方で行い、例えば、EU側は、米国産豚肉・乳製品に関する衛生証明書の手続を簡素化する。米国の中小企業の負担を軽減するため、EUで事業を行う米国輸出事業者向けの規制も簡素化する。
今回の合意では、原産地規則も強化し、同合意の効果が不当に第三国に及ぶことを防ぐ内容も盛り込まれた。デジタル分野では、電信に対する関税を引き続きゼロとしつつ、不当なデジタル貿易の障壁に対処していくことでも合意した。
今回の貿易協定について、EU加盟国側の反応は様々。フランスのバイル首相は「暗黒の日」「屈服」と表現。ドイツのメルツ首相も「実質的な打撃となる」と述べ、合意を批判している。
【参照ページ】Fact Sheet: The United States and European Union Reach Massive Trade Deal
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