
英ビジネス・通商省の責任ある企業行動室は7月25日、米民間刑務所運営大手CoreCivicとGEOグループに投資しているHSBCとバークレイズを相手取ってNGOが提出した人権侵害申立を受理した。
経済協力開発機構(OECD)の多国籍企業行動指針では、参加国に対し、国家通報窓口(NCP)を設置することを義務付けており、英国では責任ある企業行動室がNCPとなっている。
今回申立を行ったのは、NGOのバンクトラック、Worth Rises、The Northern Manhattan Coalition for Immigrant Rights(NMCIR)の3団体。3団体は他に、スイスのUBSに対しても同様のキャンペーンを展開しており、スイスのNCPも2024年8月に申立を受理している。
申立の内容は、CoreCivicとGEOグループが運営している英国ではなく米国での民間刑務所において、本来は国際法に基づき特別保護の対象となるべき難民申請者を含む移民が、日常的に収容されており、その多くが、基礎的ニーズや法的支援へのアクセスを確保されていない状態で、独房への収容、身体拘束、1日1米ドルでの低賃金労働の強制を受けているというもの。
英国のNCPは今回、HSBC及びバークレイズが自社企業グループでの事業を通じ、CoreCivicとGEOグループに対し自己資金もしくは他社からの委託資金で投資していることを踏まえ、両社に対し人権保護に関する責任があると認定。申立を受理した。今後、正式に調査が始まる。
申立の受理は、必ずしもOECD多国籍企業行動指針違反を認定したものではないが、金融機関に投資先の人権侵害に責任があると認定したことを受け、NGO側はすでに大きな成果を挙げたと強調している。またNGO側は、米国で1月に第2期トランプ政権が誕生し、民間拘置契約締結と懲罰的な移民取締措置を展開していることにより、米国では移民の収監が拡大していることも課題視。金融機関は、民間刑務所運営業者に対して人権侵害の停止を迫るか、当該企業からの投融資撤退(ダイベストメント)を行うべきと主張している。
【参照ページ】Initial Assessment: Group of NGOs complaint to the UK NCP about Barclays
【参照ページ】Initial Assessment: Group of NGOs complaint to the UK NCP about HSBC Bank
【参照ページ】UK human rights watchdog accepts complaints against Barclays and HSBC over private prison investments
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