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【国際】水素・アンモニア、混焼・専焼は世界の発電量の1%以下に留まる。京都大学論文

 京都大学の研究者らは3月4日、水素・アンモニアの火力発電所での専焼・混焼が世界の発電量に占める割合は最大で1%程度に留まるとする論文を発表した。

 今回研究者らは、水素・アンモニアを対象とした先行研究は、主に航空・船舶等の輸送部門や、鉄鋼等の産業部門を対象としたものが多く、発電部門でのカーボンニュートラル化の可能性については明らかにされてきていないと指摘。統合評価モデルと呼ばれるシミュレーションモデル「AIM/Technology(アジア太平洋統合評価モデル)」を用いた分析を実施した。論文は国際学術誌「Nature Communications」に掲載された。

 同モデルでは、将来人口、経済成長、テクノロジーの発展を入力条件として、二酸化炭素排出量、エネルギー需給、エネルギーテクロノジーの導入量および費用を推計できる。今回の研究では、混焼を含む水素・アンモニア発電を新たな技術オプションとして追加した。さらに、水素・アンモニアの費用が大きく低下する場合や、炭素回収・貯留(CCS)等の導入した場合等の多様なシナリオで、2050年までのシミュレーションを行った。

 その結果、2℃や1.5℃目標を達成する場合には、水素価格が大きく低下する条件下でも、火力発電による発電量は減少し、水素・アンモニアの専焼・混焼が世界の発電量に占める割合は、最大で1%程度に留まる結果となった。

 また、水素価格が大きく低下するシナリオでは、世界の火力発電設備の約半数が水素混焼設備付きとなる可能性が示されたものの、これらの設備が1年のうちに稼働する期間は、太陽光・風力発電の出力が天候条件によって大きく低下するごくわずかな時間帯に留まることがわかった。背景には、水素・アンモニアの混焼率が高くなるほど、石炭・ガスへの炭素税に伴う二酸化炭素排出費用は低下する一方、水素・アンモニア調達による燃料費が増加するため、費用面での利点が少なくなるため。

 その一方で、航空・輸送燃料としての水素・アンモニアの利用は、先行研究と同様、比較的進みやすいことが示された。

【参照ページ】脱炭素社会における水素・アンモニア発電の貢献は限定的であることを解明

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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