健康に関するオンラインジャーナルNatural Societyは、6月11日、キルギスがGMOs(遺伝子組み換え作物)の販売および輸入の100%禁止を決定したと報じている。キルギスは中央アジアに位置する旧ソ連邦の内陸国で、人口は約550万人。
同誌によれば、キルギス議会は"On the prohibition of cultivation, production, import and sale in Kyrgyzstan of products containing GMOs(キルギスにおける遺伝子組み換え作物の栽培、製造、輸入および販売の禁止)"に関する法案を承認し、法案が適用される2015年までにGMOsの取り締まり機関を設立し、海外からの輸入品だけではなく、国内で生産された作物についてもチェックが行われる予定だという。この法案はAlmazbek Atambayev大統領の署名により最終決定される予定とのことだ。
GMOsに関する規制としてはEUが進んでいるが、アジアにおいては中国政府が2013年に米国産トウモロコシの一部について、輸入を認めていない遺伝子組み換えトウモロコシが見つかったとして受け入れを拒否しているほか、ブータンが早くから国産農産物および食品の100%オーガニック(有機農業)化に向けて取り組んでいるなど、食の安全確保に向けた国家的な取り組みが進んでいる。
今回のキルギスの決定により、アジアにおけるGMOs規制の流れが加速する可能性もある。GMOsの製造・販売を手掛けるグローバル化学メーカーや食品メーカーはこれらの流れと無関係ではいられない。輸入の拒否はそのままアジアという成長市場の喪失につながるため、自社の市場拡大のためには食に対する安全意識の高まりに真摯に対応し、自社製品に関する品質やサプライチェーンの透明性を高めていくことが更に重要になる。
【参考サイト】Natural Society.com "Win: Kyrgyzstan Initiates 100% GMO Ban for 5.5 Million Population"
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