
EU上院の役割を担うEU加盟国閣僚級のEU理事会は6月8日、経済安全保障の観点から、改正海外直接投資(FDI)審査規則を採択した。同EU規則はすでに欧州議会を通過しており、同EU規則は成立した。EU官報掲載の20日後に発効し、発効から18ヶ月後に適用が開始される。
【参考】【EU】EU理事会と欧州議会、海外投資の審査厳格化で政治的合意。AIや決済システムも。経済安保(2026年1月6日)
今回の改正EU規則は、現行の審査枠組を土台とし、全EU加盟国が実施すべき最低限の審査範囲を義務付け、EU子会社を通じた海外からの投資も対象に含められる。また各国制度間の一貫性を高め、投資家の行政負担を軽減するとともに、外国投資による越境的な安全保障上の影響の可能性が審査されるようになる。
具体的には、最低限の共通審査対象として、軍民両用(デュアルユース)物品・軍事装備品。超重要技術(AI、量子テクノロジー、半導体等)、重要原材料、エネルギー・運輸・デジタルインフラ分野の重要事業者、選挙インフラ(有権者データベース、投票システム、選挙管理システム等)に加え、金融システム関連事業体の限定リストとして、中央清算機関、中央証券保管機関、規制対象市場運営者、決済システム運営者(中央銀行を除く)等が挙げられている。
審査手続では、審査決定はEU加盟国の専権事項であることを再確認し、投資の認可、条件付認可、禁止の決定において完全な裁量権を持つことを明確化。但し、各EU加盟国当局と欧州委員会間の透明性と調整についても整理した。また、他のEU加盟国からの意見や欧州委員会の見解が提出された場合、審査を実施するEU加盟国は、機密性の高い国家安全保障上の考慮事項を損なうことなく、これらをどのように考慮したか(意見が一致しなかった理由を含む)を説明する責任を負うこととなった。
EU加盟国間の相互運用では、迂回防止のための新たなEU加盟国共有データベースを構築し、海外投資の電子申請のための任意の単一窓口を9加盟国以上が要請した場合に設置。海外投資評価におけるリスク要因の明確化も盛り込まれている。
【参照ページ】Foreign investment screening: Council signs off on updated framework
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