
米国務省は8月12日、大統領令に基づき、「出産ツーリズム防止タスクフォース」を発足したと発表した。ビザ保有者の行動を精査して出産ツーリズムの事例を特定するとともに、関与または助長する人のビザを取り消す。すでに600人以上のビザを取り消した。
トランプ大統領は8月6日、出産ツーリズムを根絶する大統領令に署名している。これは6月30日に米連邦最高裁判所が、「トランプ対バーバラ」事件において、合衆国憲法が、米国内にいる両親から生まれた子供のうち、「域外適用に関する虚構が適用されない者」に対して市民権の特権を付与するとの判決を下したことに基づいた措置となっている。
トランプ大統領は当初、2025年1月20日に署名した大統領令で、出生地主義(米国内で出産された個人は自動的に米国籍を取得できる)について、合衆国憲法修正第14条が規定する「米国内で出生し、その司法権の管轄下にある者」という条文に基づき、誰もが出生時に米国籍を取得できるわけではないと解釈を変更。米国籍付与の条件を設定し、母親が違法滞在や学生ビザや就労ビザを含む一時的滞在だった場合には、付与しないとしていた。
しかし、これに対し、ワシントン州、アリゾナ州、オレゴン州、イリノイ州の4州が違憲の可能性があると連邦地方裁判所に提訴。6月30日に連邦最高裁判所は違憲判断を下していた。
【参考】【アメリカ】トランプ大統領、大統領令への署名開始。WHOやパリ協定脱退。太陽光促進は維持か(2025年1月22日)
【参考】【アメリカ】連邦地裁、トランプ大統領の出生地主義限定政策の一時差止。違憲判断(2025年1月25日)
そこでトランプ大統領は、出生地主義による米国籍付与の抑止ではなく、出産ツーリズムの阻止に政策目的をシフト。「悪質な犯罪組織と結託して移民法を回避し、一時的な入国を悪用して米国市民権を取得しようとする出産ツーリズム目的の入国者を拒否することで、米国の移民制度の健全性を維持する」と表明していた。
同大統領令では、「出産ツーリズム」を、米国領土内で出産することを目的として非移民ビザを用いて米国に入国する外国人と、当該行為を助長する外国人と定義。国務長官と国土安全保障長官に対し、出産ツーリズム目的で米国に入国または入国を試みる外国人に対する米国への入国阻止や査証(ビザ)発給阻止、ビザもしくは渡航許可の取消および恒久的な入国禁止、過去に出産ツーリズムに従事または従事する計画のある外国人に対する入国拒否もしくは強制送還等の措置を講ずるよう指示していた。但し、両長官は、人道的理由による場合や、国益にかなうと判断した場合には適用が除外される。
【参照ページ】State Department Establishes Task Force to End Birth Tourism
【参照ページ】Fact Sheet: President Donald J. Trump Ends Birth Tourism and Protects the Meaning and Value of American Citizenship
【参照ページ】ENDING BIRTH TOURISM
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