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【国際】中西部太平洋まぐろ類委員会、2034年までの太平洋クロマグロ資源回復量目標で合意

 中西部太平洋地域のマグロ管理を協議する国際機関の中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)は、8月28日から9月1日まで韓国・釜山で「第13回北小委員会」を開催。クロマグロの資源回復の見通しに応じて漁獲枠を増減させる新ルールの導入で合意した。合意内容は今年12月にフィリピンで開催されるWCPFCの年次総会の場で最終決定される。

 中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)は、ハワイ近海より以西の太平洋海域での高度回遊性魚類(マグロ、カツオ、カジキ類)の長期的な保存及び持続可能な利用を目的とした地域漁業管理機関。日本、韓国、中国、台湾、フィリピン、インドネシア、パプアニューギニア、オーストラリア、ニュージーランドの他、太平洋島嶼諸国、米国、カナダ、EU、フランス等、26ヶ国・地域が参加している。その中で、北小委員会は、主に北緯20度以北の水域に分布する資源(太平洋クロマグロ、北太平洋ビンナガ、北太平洋メカジキ)の資源管理措置を本委員会に勧告を行うWCPFCの下部組織で、日本、韓国、中国、台湾、フィリピン、フィジー、クック諸島、バヌアツ、米国、カナダがメンバーとなっている。

 北太平洋まぐろ類国際科学委員会の分析によると、太平洋クロマグロの親魚の資源量は1961年の16万tから、近年は1万t台にまで大幅に落ち込んでいるという。WCPFCはすでに、2024年までに親魚の資源量を2024までに60%以上の確率で約41,000tに回復される目標を設定している。今回の会議では、この目標を達成した場合の、2025年以降の目標やルールについて議論された。

 2025年以降の次期回復目標については、2034年までに60%以上の確率で約13万t(漁業がない場合の理論上の資源量「初期資源量」の20%)に回復されることで合意した。また、資源変動に応じて管理措置を自動的に改訂するルール「漁獲制御ルール」では、資源評価の結果、「暫定回復目標」の達成確率が60%を下回った場合には60%に戻るよう管理を強化し、反対に75%を上回った場合には、「暫定回復目標」の70%以上を維持するとともに、「次期回復目標」の60%以上を維持できる範囲で増枠の検討を可能とすることで合意した。これについて、日本政府は、65%を上回った場合に増枠検討が可能となる案を提示していたが、より厳しい75%となった。

 また、太平洋クロマグロの資源量が著しく低下した場合に備え、2020年まで、資源評価の頻度を2年毎から毎年に変更することとなった。さらに、恒久的な目標として、長期的に維持すべき資源水準「目標管理基準値」や管理措置強化を開始する水準「限界管理基準値」についての議論を2018年から開始することも固まった。

 来年2018年の回復目標は今年と同じく約41,000tで、大型クロマグロと小型クロマグロの漁獲制限量も今年で同じ。

 太平洋クロマグロ以外については、北太平洋ビンナガや北太平洋メカジキの保存管理措置について具体的な議論はなく、北太平洋ビンナガについては現行の保存管理措置が維持されることとなった。北太平洋メカジキは現在、保存管理措置は採られていない。

【参照ページ】「中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)第13回北小委員会」の結果について

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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