国連食糧農業機関(FAO)は4月9日、アフリカ東部で発生し、中国付近まで到達したサバクトビバッタによる蝗害問題で、対応に追われる各国からの支援要請額が1億5,320万米ドル(約160億円)に増えたと発表。各国からの支援拠出額も1億1,110万米ドル(約119億円)まで集まったものの、支援要請は今後も増える見通しを示した。
【参考】【国際】FAO、サバクトビバッタ蝗害で国連中央緊急対応基金から11億円ローン獲得。被害続く(2020年3月28日)
【参考】【国際】東アフリカ発生のバッタ蝗害、中東を越え、南アジアに到達。中国も警戒態勢に(2020年3月16日)
現在、蝗害被害が深刻なのは、エチオピア、ケニア、ソマリアの3ヶ国。南スーダン、ウガンダ、タンザニアを合わせた6ヶ国では、すでに2,000万人が蝗害で飢餓状態に陥った。イエメンでも、内戦により予防接種が困難になったペストの拡大も含め、1,500万人が飢餓状態にある。
東アフリカでは、3月に雨が多く、サバクトビバッタの繁殖に有利な天候となった。そのため、今後数ヶ月で、サバクトビバッタの数はさらに増加するとみられている。イランとイエメンでも、サバクトビバッタが繁殖期に入った。
FAOは、被害が出ている10ヶ国政府と協働し、監視と、陸上及び空中からの殺虫剤散布を続けている。現地では740人が特別員として訓練も受けて活動をしているが、新型コロナウイルス・パンデミックにより行動が制限。FAOスタッフの活動も制限されているため、現在、現地NGO等と遠隔で連携を強め、対応を進めている。
FAOはまた、世界各国政府に対し、蝗害被害地域のリアルタイムで閲覧できる「eLocust」の活用を呼びかけている。すでに今回の蝗害は、史上最大規模となっている。FAOによると、サバクトビバッタの数は8,000万匹になっているが、殺虫を続けなければ、最大20倍にまで増える見込み。
各国から拠出された支援では、ベルギー、カナダ、中国、デンマーク、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、サウジアラビア、スウェーデン、スイスの名前を挙げた。さらに、アブダビ農業食糧安全庁、アフリカ開発銀行、アフリカ連帯信用基金、EUの欧州委員会人道援助・市民保護総局、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、マスターカード財団、英国際開発庁(DFID)、米国際開発庁(USAID)、国連中央緊急対応基金(CERF)から寄付があったことも伝えた。日本政府も援助しているが、名前はなかった。
【参照ページ】FAO continues to fight Desert Locust upsurge in East Africa and Yemen despite COVID-19 constraints
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