欧州委員会は10月15日、新型コロナウイルス・パンデミックに関する「ワクチン戦略」に基づき、加盟国に対しワクチンの展開に関した準備を促した。世界的にはワクチンはまだ臨床試験段階だが、公平な配分に向け、事前準備を促した。
欧州委員会は6月に「ワクチン戦略」を発表し、ワクチンの開発、生産、展開を加速させる政策を設定。特にワクチンの開発を加速するため、EUとして「Advance Purchase Agreements」プログラムを用意し、ワクチン開発企業を資金支援すると表明した。加盟国間の臨床試験の協調を呼びかけた。また、ワクチンの安全性、効果、品質の確保、世界的な連帯を牽引しながらEU域内でのワクチンへのアクセス確保の迅速化、極力早く平等に手頃な価格のワクチンへのアクセスを確保の3つを戦略の目的として定めた。
その後、加盟国首脳級の特別欧州理事会が10月2日に開催され、欧州委員会と加盟国閣僚級のEU理事会に対し、EUでのワクチン開発と展開のための作業と協調を加速するよう要求。それを受け、欧州委員会が今回、ワクチン展開についての政策を表明した形。
今回EUは、加盟国は人口に比例して、ワクチンを受け取ることができることを明確化。この方針は、国際的なワクチン配分の協調枠組みであるCOVAXに準じしている。また加盟国内でワクチン接種の優先順位として、医療・福祉関係者、60歳以上の高齢者、リスクの高い疾患者、エッセンシャルワーカー、ソーシャルディスタンスを実施できない人、社会的弱者の6つグループを定めた。
加えて加盟国に対しては、同6グループへ迅速にワクチンを提供していくための体制整備や、コールドチェーンや冷蔵庫等の流通経路の確保、ワクチン接種に対する安心感を醸成するための政府広報等を求めた。
今回定めた方針について、欧州理事会でも今後議論し、加盟国からの賛同を得にいく。
【参照ページ】Coronavirus: Commission lists key steps for effective vaccination strategies and vaccines deployment
【参照ページ】Coronavirus: Commission unveils EU vaccines strategy
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