2050年までに保険引受ポートフォリオのカーボンニュートラルを目指す国際イニシアチブ「Net-Zero Insurance Alliance(NZIA)」は1月17日、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)の場で、目標設定プロトコルの1.0版をリリースした。NZIA加盟企業は7月31日までに初回の中間目標設定と開示が義務付けられる。
【参考】【国際】Net-Zero Insurance Alliance、短中期目標の設定ガイダンス案発行。2023年7月から義務(2022年11月6日)
今回発表されたプロトコルは、5つの目標設定カテゴリーを用意。2023年7月31日までに1つ以上、2024年7月31日までに3つ以上のカテゴリーでの目標設定が課される。2023 年1月以降に加盟する場合は、加盟後6ヶ月間以内に1つ以上、加盟後1年半以内に3つ以上の設定が課される。
カテゴリーの具体的内容は、まず、削減目標設定系が2つ。まず、保険引受からのカーボンフットプリント算出は、PCAFが2022年11月にリリースした算出方法で行う。削減目標では、自社でマテリアリティに基づき設定した対象業界バウンダリーでの全体の総量での目標設定と、対象業界毎に原単位目標設定の2種類。いずれも1.5℃目標と整合しなければならず、さらに業界ごとの原単位目標設定では、科学的根拠に基づく削減目標イニシアチブ(SBTi)の金融機関向けプロトコルに準拠することが推奨される。
【参考】【国際】PCAF、企業損保と個人向け自動車保険でスコープ3排出量算出ルール発表。パブコメ募集(2022年7月24日)
次に、エンゲージメント系の目標オプションが2つ。具体的には、保険引受企業のうち科学的根拠に基づく削減目標を設定した企業率目標もしくは注力エンゲージメント対象へのカバー率となる。前者では法人顧客のみが対象、後者では法人だけでなく個人顧客での目標設定も行うことが推奨されている。
そして最後のオプションが、機会創出・追求系の目標設定。省エネ、低炭素・脱炭素型エネルギー、サーキュラーエコノミー、保険オプション、ネガティブエミッションテクノロジー、自然を軸としたソリューション(NbS)等が例として挙げられており、売上や保険料での目標設定が推奨された。
NZIA加盟企業は、すでに29社となっており、世界の保険料総額の約15%を占めている。
【参照ページ】Launch of NZIA Target-Setting Protocol Version 1.0
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