石油世界大手エクソンモービルは11月29日、気候変動・大気汚染防止のマルチステークホルダー型国際パートナーシップ(CCAC)が運営する石油・ガス企業国際イニシアチブ「石油・ガス・メタン・パートナーシップ(OGMP)」に加盟すると発表した。
OGMPは2014年に発足。CCAC、EU欧州委員会、国連環境計画(UNEP)、米国際環境NGO環境防衛基金(EDF)が主導し、2020年12月には第2フェーズとなるOGMP 2.0が開始している。OGMP2.0には現在、シェル、トタルエナジーズ、BP、エクイノール、Eni、スナム、レプソル、エナガス、アブダビ国営石油(ADNOC)、PTTEP、ペトロブラス、ペトロナス等120社以上が加盟。日本企業では、INPEXが加盟している。OGMP2.0加盟企業全体で、世界の石油・ガス生産量の37%以上、液化天然ガス(LNG)フロー量の70%以上、天然ガス・パイプラインの約25%、ガス貯蔵容量の10%以上を占める。
【参考】【国際】石油・ガス62社、メタンガス排出量報告フレームワークOGMP2.0発表。シェル、BP等(2020年12月1日)
エクソンモービルは、2050年までにスコープ1、スコープ2でのカーボンニュートラルに加え、2030年までに、温室効果ガス全体での排出原単位を20%から30%削減し、メタン排出原単位を70%から80%削減、ガスフレアリングの排出原単位を60%から70%削減することを目標として掲げている。今回のアクションもその一環。
同社は現在、メタン漏出の迅速な検出、緩和、定量化のレベルを上げるため、テクノロジーの開発と導入を続けている。具体的には、航空機調査、地上モニター、高高度気球等の導入をすでに進めている。
【参考】【国際】エクソンモービル、2050年スコープ1と2でカーボンニュートラル宣言。スコープ3は設定せず(2022年1月21日)
国連環境計画(UNEP)は2022年、国際メタン排出観測所(IMEO)を通じ、メタン警報・対応システム(MARS)の運用を開始。人工衛星からメタン発生データを収集し、各国当局に提供している。運用開始から1年間の実証フェーズでは、エネルギー部門に焦点を当て、メタン排出源を約1,500ヶ所特定。120以上の排出源について各国当局に通知を送信した。アルゼンチンでは、この通知を基に、政府が石油・ガス施設に警告を発出し、漏出箇所の修繕に至った事例も生まれている。
CCAC/UNEPの世界メタンアセスメントによると、1.5℃目標達成のためには、2030年までに世界のメタン排出量を40%から45%削減しなければならない。メタン発生源としては、農業・畜産、廃棄物、化石燃料部門が半分以上を占めている。
【参照ページ】Tackling methane emissions
【参照ページ】UN’s global methane tracking system set to translate data revolution into climate action
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら