米国アパレル大手のGAPが展開するブランド”Old Navy”が、同ブランドの販売していた女性用プラスサイズ商品の価格が過剰に高く設定されているとして消費者らから批判を浴びていた問題で、批判者らはOld Navy側から一定の譲歩を勝ち取った。
Old Navyは価格自体の変更は表明していないものの、既に12月初旬からオンラインで販売されていたプラスサイズ商品の店頭での返金受付を開始している。それまでは、返品を希望する購入者は商品を返送する必要があった。
Old Navyによるプラスサイズ商品の価格設定に対する批判はオンライン署名キャンペーンサイトのChange.orgを通じて展開され、95,000名以上の署名が集まった。”Old Navy sexist”と名付けられたキャンペーンでは、Old Navyが男性用ジーンズは大きさに関係なく同じ価格で販売する一方で、女性用のプラスサイズジーンズはレギュラーサイズのジーンズより15ドル以上も高い価格設定をしている点を問題視していた。
Old Navyは、同ブランドの女性用商品は男性用商品とは異なりプラスサイズの顧客用に特別にデザインおよび製造されたもので、通常より生産コストがかかっていると主張していた。価格については現状変更の予定はないものの、同社は今後1月から年4回のカスタマー委員会を設け、プラスサイズファッションや商品へのフィードバックについて議論していくとしている。
Change.orgなどのサイトに代表されるように、ソーシャルメディアが普及している現在では企業に対する消費者のパワーが相対的に高まりつつあり、企業は自社の言動次第ですぐに批判キャンペーンの的となるリスクを抱えている。今回のOld Navyの事例からも分かるように、企業は自社の意図に関わらず、自社の販売戦略が消費者からどのように受け止められるかについてこれまで以上に敏感になる必要があると言えそうだ。
【参考サイト】Change.org “Stop up-charging for women's plus-sized clothing”
【参考記事】Old Navy Critics Declare Victory in Battle Over Plus-Size Jeans
【企業サイト】Old Navy
(※写真提供:JStone / Shutterstock.com)
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