中国銀行大手の興業銀行(英語名Industrial Bank)は12月2日、同社が過去数年間注力してきたグリーン金融の取組が評価され、「2015年中国社会責任公益盛典及び第8回中国社会責任サミット」で「グリーン環境保護賞」を受賞した。2015年中国社会責任公益盛典及び第8回中国社会責任サミットは、新華ネットと中国社会科学部経済学部企業社会責任研究センターが主催、中央政府からも国家発展改革委員会、科学技術部、民政部、人力資源社会保障部、国務院国有資産監督管理委員会、国家品質監督検査検疫総局、国家安全生産監督管理総局、衛生部国家食品薬品監督管理局も支持している国家的イベントで、政策動向が色濃く反映されている。
興業銀行は1988年に設立された銀行で福建省福州市に本社を置く全国区の銀行、上海証券取引所に2007年に上場している。2015年のフォーチュン500ランキングでは271位と過去最高位をマークし、中国銀行勢の中でも8位と急成長している。同社は2006年に世界銀行グループの国際金融公社(IFC)と共同で省エネルギー型エコローンを登場させ、2008年には中国の銀行として初めて赤道原則の受け入れを表明するなど、グリーン金融の分野に力を入れてきていた。現在も「寓義於利(義を果たしながら利を得る)」という理念を掲げ、サステナビリティ観点を経営ガバナンスに取り入れており、中国グリーン金融の旗手的な存在だ。
同社のグリーン金融サービスは、低炭素経済、循環型経済、エコロジー経済の三大領域をカバーしており、グリーン金融部門は約200人の所帯と中国国内最大級の規模。2015年10末の時点では、すでに6,000近くの企業へ累計7,707億元(約13兆8,000億円)のグリーン融資を実施、融資残高は3,769億元(約6,750億円)ある。グリーン融資の年間環境価値は推計で、2,554万tの石炭節約、7,162万tのCO2削減、139万tの化学的酸素要求量(COD)削減、1,727万tの固形廃棄物リサイクル、23,565万tの節水になるという。
環境保護に力を入れている中国政府は今後5年の間に大規模な環境保護投資が必要と算定しており、金融市場でも動向に対する関心が熱い。政府もグリーン金融に大きな可能性を見出してもおり、今年から始まる第13次5ヵ年計画にもグリーン金融は盛り込まれると見られている。今年創業するアジア投資開発銀行(AIIB)とも絡め、中国でのグリーン金融市場はますます拡大していきそうだ。
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