オバマ・アメリカ大統領、トルドー・カナダ首相、ペニャニエト・メキシコ大統領は6月28日、北米首脳会議を開催し、3ヶ国で協力し、2025年までに発電供給量の50%を、水力発電・風力発電・太陽光発電・原子力発電・炭素分離回収および貯留(CCS)といった再生可能エネルギーとエネルギー効率化で賄うことを宣言した。現在の発電供給量に占める再生可能エネルギー発電割合は37%で。50%に引き上げるためには、同3ヶ国の電力の75%を発電し供給するアメリカの努力が不可欠。現在のアメリカの再生可能エネルギー発電割合は25%だ。
任期の満了が迫る中、オバマ大統領は気候変動を加速化する二酸化炭素の排出削減を優先課題として位置づけている。ところが、今年2月にアメリカの連邦最高裁判所は、オバマ大統領の進めてきた石炭火力発電所に規制を加えるものとなる「クリーン・パワー・プラン」の実施を差し止める判断を下した。「クリーン・パワー・プラン」は昨年パリで開かれたCOP21で宣言した二酸化炭素の排出削減目標に達成するための主な施策。オバマ政権は、「クリーン・パワー・プラン」を導入に持ち込むことは依然可能であり、再生可能エネルギー発電所への税額控除とともに北米全体の目標値に導くとしている。また、アメリカ自体の発電供給量は50%に達しなくても、北米の共同目標の達成は可能だとした。
メキシコは現在、発電供給量に占める再生可能エネルギー発電割合は20%を下回っており、2024年までに同数値を35%まで引き上げると宣言した。一方、カナダは発電供給量の80%以上を水力発電・太陽光発電・風力発電・原子力発電で賄っている。
首脳らは同時に、北米における再生可能エネルギーによる電力の送電・売買の簡易化・経済性の向上を目的とした合意も発表した。
【参照ページ】US, Canada and Mexico pledge 50% of power from clean energy by 2025
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